俺達の少し変わった家族構成のその先に

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あの子怯えてたんだよ。

小さい頃の自分を見ている様で…

他人との付き合い方が未だに得意では無いけれど、小さい頃よりは少しは大丈夫になったと思うけれど、初めて会う人とはどうしても…

中学生という思春期まっただ中の子だよ、理由はざっくり聞いたけど、なんで今なの？

何でもっと早くそうしてあげなかったの？

自分のスペースに勝手に入ってこられるのは好きじゃないけど、彼等には何の罪もないんだから…

親父が母親以外の人と、ってのは慣れたと思ってた。

それが俺達の父親だと思ってきたから、不潔だとかイヤラシいとか、全く考えなかったわけじゃない。

けれど母親と結婚しているのに、外に女がいたとか…

それがショックだった。

散々結婚離婚を繰り返した人でも、その時はその人の事だけだと思っていたから…

姫と同じクラスに腹違いの兄弟が居るとか…

姫は気にしていない様子だったけれど、きっと内心は大荒れだと思う。

アイツは、さも気にしてない様に見せるし強がるけれど、内面は独りで声を潜めて泣く奴だから…

悔しくて泣くんだよ、自分には何も出来ない悔しさで…

あの父親を見てて思うのは、ぜったにあんな奴の様にはならない！

結婚とかってまだまだ、現実にはないけれど、俺達の様に寂しい思いを子供にはさせたくない。

贅沢な暮らしがしたいわけじゃないけれど、ほんの少し余裕があって、そんなに大きな家じゃ無くて良い、子供は二人は欲しい…

家族で休日は出掛けたりもしたい。

俺達はそう言う事してもらった事無いから…

ごく普通の家庭のごく普通なお休みを俺達はした事が無い。

家族旅行だって行った事無いんだ。

変な話お金に不自由はしなかったけれど、好きなものは買えたし、買って貰えたから…

けれど、休みに父親と遊んだり一緒に出掛けたり、した事無かった。

姫も、謙信も一度も、休みに親父と出掛けたいとは言った事はない。

だから、3人で遊ぶんだ。

土曜日は習い事もあったからだけど、日曜日は、習い事もお休みだったし…

俺達子供の頃から梅さんは、この家に居てくれたから…

彼等は休みの日に親父と出掛けてたりしていたのだろうか？