第118話

「とにかく。いろいろと手を考えないとヤバいってワケだよね。紀勢線の場合、路線を存続させて利用の促進のために電車の車内に自転車を乗せることができるようになったんだ。私達の乗っている特急くろしおでも白浜から新宮までの区間は自転車を乗せることができるようになったんだ。トイレに行ったら、出入口のあるデッキのところに自転車を置いていたお客さんがいるみたいだよ。これからはレンタサイクルのサービスを充実させ、自転車を借りた駅とは違う駅のレンタサイクルの窓口で自転車を返却できるシステムを作れば、レンタサイクルの利用客は増えると思うよ。今後は、電車と接続する路線バスでも自転車を乗せることができるようにすればいいとのアイデアもありそうだね。」

と麗奈が言った。

「路線バスは鉄道と違ってキャパが限られている。果たして、路線バスでも自転車を乗せることができるようになるかは疑問もある。運行されている沿線の道幅もあるから、そこの基準も満たすことも必要だよね。基本としては、自転車を車内に乗せられるのは鉄道。というルールで落ち着くのではないのか。」

と春樹は説明した。

「そういえば、民間の路線バスからコミュニティバスに移行した路線は車両のキャパも小さくなってワゴンタイプのバスが主流だよね。実際のところ、自転車を車内に積み込むというルールは春樹くんの言う通りだと思うわ。」

と江麗奈が言った。

「レンタサイクルの利用の促進のためには電動自転車を中心に貸し出すのが主流となりそうだ。紀伊半島の地形からも坂道が多く勾配も急な場所も多い。電動自転車は一般の自転車と比べて急な坂でも登ることができる。そういった強みを活かせばいいと思うね。」

と春樹は言った。しばらくして、車内アナウンスがあった。

「まもなく、串本に到着します。」

とのアナウンスがあった。貴子たちの乗った電車はしばらくして、串本に到着した。電車が串本を出発すると、貴子たちは太地での下車に向けての準備を始めた。

「いよいよ太地だね。」

と江麗奈が言い出した。電車は串本から出て10分足らずで古座に到着。いよいよ、次の停車駅は貴子たちの目的地となる太地だ。太地といえば、クジラの町で有名だ。貴子と江麗奈がカバンを取り出して降りる準備を始めると、車内アナウンスが流れてきた。

「まもなく太地に到着します。」

とのアナウンスがあった。新宮まで乗車する春樹と麗奈に手を振り、太地に到着して電車から降りた。太地の駅のホームから新宮へ向かう電車に向かって春樹と麗奈に手を振った。貴子と江麗奈が2泊する太地のホテルまではバスでの移動に。ホテルに到着してチェックイン済ますと、待ちに待っていた鯨料理が夕食の食卓で待っていた。夕食の時間には春樹と麗奈も新宮に到着してホテルのチェックインを済ませていた。

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ファイティング・ザ・なでしこ【貴子のチャンピオンロード】 若鷹ひろし @hiroshiwakataka

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