第69話
どうするも何も、矢島君と会わなきゃ話になんない!
私はもう一度矢島君の連絡先を見直した。そこに書かれている住所を目にする。
この学校から、3駅行ったところ。
私は住所をメモし、それをスマホの手帳カバーに挟み込んだ。
会わないといけない。
矢島君に。
家ならきっと帰って、会う機会があるから。
私はその日から、矢島君の家に通った。
二階建てのハイツの1階。
インターホンを鳴らしても出ず。
2日、3日たっても、誰も帰っていなくて。
もしかしたらホテル街に行った方が会えるんじゃないかって思うほど。
矢島とかかれた表札の扉からは、誰も出てこない。
終電がなくなるまで、私は待った。
ずっと待った。
トイレに行きたくなっても、お腹がすいても、ここを離れた瞬間に帰ってきて入れ違いになってはいけないから、ずっと待った。
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