第41話

「母親は⋯、他の男に慰めてもらうために夜はあんまいなかった」


「⋯」


「小さい頃から、ずっと1人だった」


「⋯矢島君⋯」


「だからだろうな、1人になるのが嫌で、いつの間にか傍に女がいる。俺、顔いいし、そういう女が寄ってくるの自分でも分かるからな」


「⋯」


「血筋なんだよ、浮気症」


「⋯」


「何年もずっとこうだった⋯、一人の女を好きになるって、今更どうすればいいか分かんねぇ」


「⋯」



矢島君の目には、光がなかった。

すべて、諦めているような顔⋯。

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