第36話

「俺が出すわけねぇじゃん」


「え?」



シャツを閉め終わった矢島君は、

どこかへ行こうとしているのか、私から離れようとし。



「誘われてんのに、俺が出すわけねぇだろ」




誘われてんのに?

え⋯いつも女の子に出させてるの?

ホテル代?



「俺に抱かれたい女、たくさんいるから」



どう見ても綺麗な顔⋯。



「え⋯今までの子、彼女じゃないの?」



私は唖然として、矢島君に声をかける。

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