第35話

「また連絡するから」


そう言って甘い声を出す矢島君。

あーもう、そういうのいいから、早く戻んなさいって。

ほんと、どこから出すのよ、そんな声。





「おさかんな事ね」



女子生徒が教室に戻り、シャツがはだけている矢島君は、そのボタンをしめていて。

綺麗な顔をしている矢島君には、その仕草がやけに色っぽく見えた。


これ、私がもう少し来るの遅かったら、絶対やってたでしょ⋯。



「学校でするの考えたらどう?」



そう言うと、矢島君は鼻で笑ってきて。



「ホテル行けってか?」


「そうね、学校よりはマシ」


「あっそ⋯」


「まあ、ホテルだったら、直ぐにお金無くなるわね。ちょっとぐらい落ち着いたら?」



別にやるな、とは言わないけどさ。

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