前向き令嬢×溺愛男子〜生き方も恋も始めまして〜

66・初めての…

第66話

「今日は楽しかったよ」

「俺も楽しかった」

玄関で別れの挨拶を交わしている。

「紅露…あのね…」

「？どうした。リリナーア」

女の私から言うのは恥ずかしいと思うけど言わないと後悔する気がする。

「私…あのね…」

「リリナーア」

「んっ？」

下を向いて紅露の名前を呼んでいたら自分の名前を呼ばれて見上げたら口を塞がれた。

「んっ…」

甘く痺れる様なキス。

熱くて気持ちよくて…。

「…怖くない？良いのか…」

「…うん。もらってくれる？」

紅露が抱きしめてくれて私も抱きしめた。

「母さん、居ないから俺の部屋に行こう」

「…うん」

自分の家に帰らずに初めて紅露の部屋に向かう。

ドキドキして何を喋っていいか分からないから黙る事にした。

「リリナーア、俺の部屋2階の突き当たりだから先に入っていて」

「うん」

2階に上がって突き当たりの部屋の扉をゆっくり開ける。

「……」

目の前には初めて見る紅露の部屋。

紅露の匂いが広がっていてドキドキが更に増して来た。

「リリナーア、突っ立ってないで座れば？」

「！！紅露……うん」

後ろから喋りかけられてビックリしてしまったけどバックを置いて座った。

「汚くてごめんな。これでも片付けてあるんだけどな」

「大丈夫だよ。綺麗よ」

「そうか。なら、良かった」

紅露も私の隣に座ったら心臓がドキドキと早く高鳴る。

「フッ、可愛い」

「急にどうかしたの？紅露」

紅露が私の髪の毛を耳にかけてそう言ったから慌てて紅露の方を見た。

「俺の彼女は可愛くて愛おしくて…と思った」

「〜〜っ」

紅露の口から出てくる言葉が甘すぎて蕩けちゃいそう。

「リリナーア、好きだよ。愛してるよ」

「うん。私も紅露が好き」

紅露が私の頬を包みながら顔を近付けて来たから目を瞑った。

砂糖菓子みたいに甘い甘いキスが降り注ぐ。

「俺、この先止まれそうにないから…」

「止めなくていいよ。私を感じて？」

「〜〜っ」

紅露の目を見つめてそう言ったら紅露の耳が真っ赤になっていて可愛いと思ったら急に体が浮いた。

「紅露っ！？」

「可愛いリリナーアが悪い」

紅露が私を抱き上げてベットに運ぶ。

「リリナーア、好きだよ。好き」

「紅露、私もよ。好き、紅露が好き」

ゆっくりと震える手で紅露の服を、紅露は私の服を脱がしていく。

「綺麗でこのまま飾りたい」

「そんな恥ずかしいのダメ」

服がベットから落ちて生まれたままになる。

「リリナーア、俺に全て任せて。快楽だけ追っていけばいいから」

「あっ…うん…」

紅露を信じてるから。