65・街中巡り・第二弾

第65話

「紅露、今日は楽しかったわ!またデートしましょうね」

「お前とデートはしてねぇ。早く帰れ」


茜さんを家の近くまで送って行く所がまた一段と惚れる要素でもあるんだよ?って思いながら茜さんを見送った。


「邪魔女が居なくなったから今度こそ2人っきりのデートだからよ。リリナーア」

「えっ?私達も帰るんじゃないの?」

「これからだよ。明日も学校ねぇーし」

「紅露?!」


手を引っ張られて逆方向に歩き出した。


「リリナーア、まだまだ知らない事ばかりだろ?」

「うん。でも、これからって…」


少し薄暗くなった街中を歩いていると私達の他にも手を繋いで歩く恋人同士達を見る。


「街中が段々暗くなっていく様子が綺麗だね」

「あぁ、綺麗だな」


街灯が暗くなっていくから灯されていく。


夜のいざなみを誘うかの様に私達も夜の街中に溶け込んで行く。


「何処に行くの?」

「着いてからの楽しみ」


紅露はそれっきり黙ってしまったから私も黙って紅露に着いて行く事にした。


「わぁ、綺麗ー」

「ここも綺麗だけどもう少しだよ?」

「うん」


少し登った坂から私達が今まで居ただろう街中がキラキラ光って綺麗だった。


「着いたよ」

「わぁぁぁー…凄く凄く綺麗…」


さっきよりキラキラ光ってる街中が光っていて綺麗だった。


「夜景ならココが一番綺麗なんだよ」


柵に両手を着いた紅露はキラキラ光ってる街並みを見ていた。


「1人になりたい時とかどうしてもやるせない時とかココに来てるんだよ」

「……」


遠く遠く見ている紅露は何処か消えちゃいそうで慌てて抱きしめた。


「リリナーア?」

「私がいるよ。紅露の側に私がいるから」


そんな言葉を言うのが精一杯だった。


「そうだな。俺の側にリリナーアがいるんだもんな」

「うん!ずっとずっと側にいるから」


お互いにキツく抱きしめ合った。


このまま2人で溶けて何処までも溶け合いたい気持ちに駆られたけど女の私から言うのは恥ずかしい。


「リリナーア」

「はいっ?」


急に名前を呼ばれて声が裏返ってしまったら紅露が笑ったから私も恥ずかしながら笑った。


「心の準備が出来たら抱かせて?」

「…うん」


本当はとっくに出来てるんだけどやっぱり自分から求めるのは恥ずかしかって…。


「だからキスをいっぱいさせて?」

「うん」


ゆっくり紅露の顔が近付いてきて目を閉じた。


柔らかい唇が私の唇に合わさって軽いキスから段々深くなっていく。


「んふぅ…」

「リリナーア、好きだよ」

「私も好き」


夜景を見ながら私達はお互い欲する様にキスを交わした。

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