13.受け止めて、幸せになって

第13話

リーネが無実の罪で捕らえられ牢屋に入り挽回しようにも手を考えるしかない。

あの時の証言だけじゃ証拠にならない。

もっと別の何か決定的な証拠。

「………」

リーネを見に行きたくなって。

欲情するのはただ1人。

「……!!」

牢屋に着いたら先にナサイウが居て様子を伺う。

小窓から満月が見えて光を照らしている。

「……サン…」

「サンは私が婚約者になったから愛称で呼ばないでくれない?」

「!!」

そう言えばそんな事を言ったな…と思いこれを手にするのは敵を欺くのは味方からと閃いた。

「私のサンになったのよ?」

「嘘です!!私と…」

「嘘じゃない」

心を殺してナサイウと婚約した事を見せつける。

「ナサイウ王女殿下と婚約した。トゥリーネ・

ロータそなたをナサイウ王女殿下を殺そうとした罪で断罪する!決行は明日の朝だ」

「!!」

リーネが真っ青な顔をして柵を掴んでいて叫ぶ。心を動かされない様に感情を殺す。

愛してるけど愛してない女。

「どうして!!私は殺そうとしてない!!」

「ナサイウ、俺はこの女と別れの挨拶したいから先に行け」

「早く来てね。サン」

ナサイウはリーネの目の前で俺の頬にキスをして去る。

「そう分かったわ。何も言う事ないです。

サンロシスト・スゥーカ様」

リーネも心を殺したように泣き叫ぶ事なく俺を見て俺もそれに応える。

「俺とナサイウ王女殿下の結婚式に呼べなくて悪いな」

「いいえ。お幸せになって下さい」

リーネの目に涙が溜まっていく。

「サンロシスト・スゥーカ様…一つだけ聞いて良いですか?」

「ああ。なんだ?」

「私の事好きでしたか?…それとも…」

何個でもいいのに一つか…と思った。

「それとも…嫌い…でしたか?」

長い年月俺はお前に一目惚れした。

好きも愛してるも言った。今はどうなんだろうか。

「俺は……」

ザアッーと風が吹いて俺の言葉が2人しか聞こえない。

「……そうですか。ありがとうございます」

諦めた様な顔をしてリーネは礼をして俺はそれを見届けて後ろを向いてその場から出ようとした。

「ふっ…本当に意地悪騎士副団長様ね…」

リーネがそう言った気がしたけど振り向かずに。

リーネは王女殿下を殺そうとしたから斬首刑に決まっており麻袋を顔から被り見えなくする。殿下にはリーネに似た死体を探して貰ったからそれは良いのだが後はリーネをどう牢屋から救出するかだった。


「ふふっ…。明日の朝が楽しみね」

「そうだな」

この苦痛すぎる空間にナサイウと部屋に居ないといけない自分を呪いそうになる。

リーネはきっと寒い中で寝ている。

「ナサイウ、明日早いから俺は寝るよ」

「あらっ?ここで寝ないの?」

「俺まで殺人容疑にされたら困るしな」

「ふふっ。そんな事しないのに…」

リーネに無実の罪を被せてるのはこの王女なのだが決定的な証拠がない。

「……」

自分の足が身体が愛おしい女性の元に行く。

藁の上に眠っている愛おしい女性。

鍵を貰ってきてまぁ、見張られているが、

静かに鍵を開け、リーネは丸まって寝ているからマントを布団代わりに抱きしめる。リーネにしか聞こえない小さな声でリーネを包む。

「んっ…」

リーネが目を開けない様に目隠しを施す。これも後々の為。

「リーネ」

「…サン?」

リーネは寝ぼけているのだろう。可愛い寝ぼけだ。

「リーネ、愛してるよ」

「サン、私も……」

リーネが手を伸ばして俺を探している仕草をするから手を捕まえて握る。

「リーネ、愛してるよ。愛してる」

「サン、サン、愛してる」

俺の胸の中で俺の名を連呼して愛してると伝えるリーネを抱きしめる。

「サン、ありがとう。さようなら」

リーネが俺の手を離す。

「リーネ、おやすみ。俺も行くよ」

そう言って起き上がって牢屋から出て行った。代わりに大勢の衛兵達が来てリーネは突如キョロキョロしだした。

「トゥリーネ・ロータ、処刑を実行する」

「!!」

慌てて抵抗していたが女の力で男には敵わないのでそのまま手足を縛られた。

「嫌っ!!嫌だってば!!私はやってない!!」

「黙れ。王女殿下を殺そうとした賊め」

その言葉が聞いたのだろうリーネが黙ってしまったから俺はチャンスだと思った。

「その女は俺が連れて行く」

「騎士副団長!!」

「!!」

リーネの体がビクッと震えた。

「……っ」

演技をするなら今だと思ったからジャックとカルトと交わした事をする。

「何?トイレに行きたいだ?そんな事許すわけないだろ?」

「……?」

リーネは麻袋で顔が隠れているからどんな表情か分からないがきっとビックリしてるだろうからそのまま続ける。

「いやいや、待って!!俺の所にするな。

分かった!連れててやる」

「騎士副団長?!俺たちが連れて行きます」

「いや。この女は俺が斬首台まで連れていく。

お前たち、先に行け」

「でも…」

「騎士副団長の言う通りだと思うぞ?」

丁度、カルトも来てそう言って更に爆弾を落とす。

「それともジャック殿下に…」

「失礼しました。先に行っております」

周りは俺とカルトとリーネのみになったからマジ嫌なんだが本当に嫌なんだがリーネをカルトに預けて俺はもう一仕事する。

「サン、ここからはこれか?」

「ああっ。お前にリーネを預けるのは癪だが」

「大丈夫だって!!」

ジャック殿下に頼んでいた死体を抱っこしたままリーネを見てカルトに牽制をかける。

「リーネ、愛してるよ」

「サン!?」

慌てた様子を見せたリーネの声が聞こえたがいつまでもこれを抱っこする訳いかないので俺は処刑場に急ぐ。


斬首台に着いて首を切り落とす台が太陽を浴びてギラついた。所々錆びており悲惨さを物語っている。

コレがリーネじゃないから心は痛まない。

「トゥリーネ・ロータ、ナサイウ王女殿下を殺そうとした罪をその身で償ってもらう」

「……」

首を穴にはめ込むと首がフニャと地面に落ちる。

「……」

まぁ、死体だし。

仕方ないなと淡々としている自分に心が無いのかと疑ってしまう。

「サンロシスト、騎士副団長私がやりますわ」

「ナサイウ王女殿下、汚れますよ?」

「いいのよ。この女が居なくなれば私のサンに

なるでしょ?」

「そうですね。ナサイウ王女殿下」

ナサイウの腰に手を回してあたかも婚約者を装う。

「ナサイウ、リーネは本当に殺そうとしていたか?」

耳元で言って腰をなぞる。

「んっ…ふっ。まさか。私の狂言よ?」

そう言って刃の付いた紐を離して刃が首にまで行き首がゴロンと転がる。

「そうか。狂言か…もう一個聞く」

怒りが湧いてくるけど抑え込む。

「リーネの義母は?賊だが…本当は?」

「あらっ?それは私がね」

「そうか…」

ナサイウが俺の肩に手を置こうとした時に 

ジャック殿下の手がナサイウ王女殿下の手を

握った。

「ナサイウ王女殿下…別名殺しの王女殿下。詳細を詳しく聞きましょうか?」

「ジャック殿下?私は隣国の王女よ!!こんな事して許されると思っているの??」

「えぇ。我が国の住民を…家族を殺して殺そうとしたナサイウ王女殿下に罪を償ってもらわなければ。連れていけ」

ジャック殿下が言ってナサイウ王女殿下は騒ぎながら連れて行かれた。

「サン、あの死体どうすんだ?」

「あれか?面倒臭いな…」

リーネじゃないなら処理するのが面倒臭い。

「………」

リーネによく似た背格好が連想させる。

首から血が垂れ流れており周りは地の海で少し先に行くと麻袋に包まれた頭がありそこも血の海になっていた。

「はぁー…」

騎士副団長として血は見慣れてる。ただ、リーネの初めてを奪った時の血は嬉しくって切り取って飾ろうとしたら早業でメイドに渡された。それ以外の血は臭いし、最低なんだよな…と麻を除いた。

「リーネ!?」

「どうした?サン!!」

「ジャック!!リーネが…リーネが!!」

俺はリーネじゃないと思った。

でも、顔のパーツもリーネ。

「騎士副団長!!これは片付けますから離れて下さい」

「リーネが燃やされる!!」

油をかけられて火を起こし斬首台を別の所に運び首の転がったのを体の近くに置き燃やす。

「リーネ!!」

「サン、お前おかしいから部屋行って休め。

誰か」

「俺が行きます」

俺より小さい騎士に支えられて俺は後にした。

俺とその騎士はどこかの部屋に入り俺を長椅子に座らせた。

「…騎士副団長、ここに座って下さい」

「ああっ……」

愛おしいリーネを失ってしまった。

リーネじゃないと思ってしまった。

あの時確実にちゃんとカルトに渡したのか?

俺の幻聴だったんじゃないのか?頭に色々蘇る。

「騎士副団長、これを」

「?」

騎士から渡されたのは懐かしい見覚えのある風景画。

「これはっ…」

「あの部屋でサンの書いた風景画を見てなんて綺麗だろうと思った」

「!!」

「だからどうしても最後まで見てやろうと頑張って取ったのよ?あの位置から」

笑って騎士服を着ている人物に驚いて風景画を落としてしまった。

「もぉ、自分の書いた、風景画を…」

「……!!」

その人物がしゃがんだから自分の胸の中に入れ込む。

「苦しいって…」

「リーネ!!リーネ!!」

「ふふっ。悪戯成功かしら?」

「悪戯?」

あれが悪戯だと?リーネに似た死体を悪戯しただと?

「サンだって私に悪戯したじゃない!!なんなら本当に破…んっ…」

その言葉を言う前に塞ぐ。

「本当に言ったら繋ぐぞ」

「…繋いで?永遠に繋いで?」

「リーネ」

長椅子にリーネを押し倒しリーネは俺の両頬を触りそう言う。

「嘘でも破棄は嫌。奥さんにして?」

「そうだな。ナサイウが終わり次第するか」

「うん」

キスを交わして角度を変えて深くしていく。

「はぁっ…」

「可愛いいな。リーネ」

サンが私のおでこにキスをする。

「片付けがあるんでしょ?」

「そうだな。片付けだな」

良いところで邪魔が入るから本当に結婚したいと思う。

「サン…私を騙したのね?」

「ナサイウ王女殿下。騙したなんて人聞きの悪い」

リーネの髪の毛にキスを落としてリーネから離れる。

「どうして、その女が生きてる?!」

「そりゃあ、愛おしい女性です。俺にとって欲情するただ1人です」

「サン、私と約束したじゃない!!」

「ああっ…あの約束は無効です。俺はアンタに

言ってない」

あの約束…母との草原の記憶はリーネの義母に聞いた。リーネの義母は母の本名を知っていて親友同士だった。

「今も昔も妻に望むのはリーネだけだ」

思い出した俺の記憶。

今も昔もリーネだけ。俺の妻にと望むのはリーネだけ。

「そう…。思い出しちゃったのね…」

「!!」

ナサイウは手の中に小瓶を持って開けた。リーネが気付いてナサイウ王女殿下の所に行こうとしたけど足を止めた。

「ナサイウ王女殿下!」

「ふふっ。これが結末なのよ?」

小瓶の中のモノを飲んでものの数秒で口から血が垂れナサイウ王女殿下は膝が崩れ落ちて座った。

「王女殿下!!」

「サンを奪えなかった女は毒死すると言われているのよ?知っていたでしょ?」

「ええっ。知っているわ」

「リーネ?!」

俺を奪えなかったら毒死?ならナサイウと付き合っていたらリーネが毒死していたって事か?

「知っているからこそ手が出しづらかった」

「…恐ろしい女を妻にするのね…サン」

「恐ろしい女?違いますよ。愛おしい可愛い女ですよ」

「冷たい同士…良いかもね…」

「ナサイウ王女殿下、別の所で会いたかったです」

「私は、会いたくないわ。2度とね」

そう言って死別れた。

「サン、リーネ殿!ナサイウ王女は…」

「殿下、毒死しましたわ…」

「そうか」

リーネはナサイウ王女殿下を見ながら何か思っているかもしれない。でも、最終決着が毒死だと思わなかったからゾッーとした。危うく俺は本当にリーネを永遠に失う事だった。

リーネの方が一枚も二枚も上手だった。


「あっ…もっと…」

「リーネ」

リーネと激しく抱き合っていた。やっと片付いてリーネをとことん抱けるからだ。

「あっ…んんっ…ダメって…」

「ダメじゃない。見せろ」

「いやっ…そんなところ…」

リーネの気持ちいい所を突いて突いて高みを目指す。

「サン、サン、愛してるの」

「リーネ、リーネ、俺も愛してるよ」

キスを交わして角度を変えて深く一つになる為に溶け合う。

「リーネ、愛してるよ」

「その言葉…あの時聞きたかったのに…んっ…」

あの時…牢屋で聞いた時の言葉を言っているのだろう。

「言ったら抱きたくなっちまうだろ?」

「バカっ……あっんっ…」

腰をゆっくり動かしてリーネの高みを手伝う。

胸を弄ってコリコリして摘むと可愛い声が出てもっと聞きたくなって苛めてしまう。

「んっ…もっと…」

「リーネ、結婚しような」

「はい…。サンロシスト様」

リーネが俺の首に腕を回してキスを強請るからそれに応えてキスをする。

愛おしいリーネ。

可愛いリーネ。

お前と結婚出来ること嬉しく思うよ。



「次の日結婚って聞いてないー!!」

なんだか久しぶりにサンの胸の中で起きて恥ずかしかったのサンたらもう一回って強請るから丁重に殴ってお断りしましたよ。

「なら夜6回はキツイか。なら5回ね」

「はあっ?!」

「だって初夜だろ?」

って言うから何のことか分からないまま…その前に数字はまさかエッチの回数って訳ないよね??怖い。それも初夜って言った。私、絶対そんな事されたら起き上がれなくなちゃうのにメイド達にあれやこれやってやられて鏡の目の前の自分に4度見しました。

「………」

わぁー…綺麗な刺繍が施されていて肌を一切見せずに舞踏会の時にサンに送られたドレスに似ていてAラインの白のウェディングドレス。ヴェールもしてくれて本当に結婚式ですと思いましたよ。

「リーネ」

「サン!!ちょっと…………」

文句を言ってやろうと思ったのに…!!白のタキシード姿が素敵すぎてキラッキラっすぎて言葉を飲み込んじゃったわよ!!バカ!!

「綺麗だよ。リーネ。可愛いよ。愛してるよ」

「あっ…はいはい」

これを何回も聞くかと思うとはいはいって言いたくなるけど何回も言ってくれるのよね?旦那様?って思って覗いて見ました。

「くぅー!!押し倒したい」

「何で?!?ダメよっ!!」

危ないー、慌てて止めました。

「では、トゥリーネ・ロータ」

「はい。サンロシスト・スゥーカ様」

サンが手を差し出してくれたから手を乗せた。

結婚式場まで噛み締めて歩く。

沈黙が嫌だった訳じゃない。

ただ、言いたかった。そう心から思った。

「綺麗だよ」

「カッコいいですよ」

お互い言葉が被って2人で顔を見合わせてしまって笑ってしまった。

扉が開いて厳かな雰囲気の中ウェディングロードを歩く。フロータリーニー国は新郎新婦が一緒に祭壇まで行く。2人これからも困難な道もいつまでも共に歩んで行くという意味で。

「リーネ、綺麗よー」

「リーネ!!」

「サン、幸せになぁ!」

「サンお兄様、お姉様ー!!」

フィーネル、ヨーク、カルト様、ション様、サンの義父様、義母様…色んな人が沢山参列してくれていた。

「……っ」

涙が溢れてきたからハンカチで涙を拭った。

「リーネ…」

「大丈夫。お母様もお父様もきっと喜んで下さっていると思ってます」

「そうだな」

手を組んでいた私の手をギュッともう片方の手で握ってくれて立ち止まった。

「リーネ、俺が幸せにするよ」

「うん。して」

キスをしてくれると思ったから目を瞑った。

「おーい。そこのカップル」

「誓いのキスは後でしてね」

「はっ!!」

まだ祭壇に着いてないのにキスをしようとしてました。

「ココでキスしても良いだろう?」

「ダメよ。お断りします!!」

サンの顔が近づいてきたから慌ててグイッと向こうにした。

「なら誓いのキスで」

「えっ?」

誓いのキスが怖いっっ。

私、どうされちゃうの??

「んんんっーー!」

案の定、誓いのキスは濃厚なキスに。

叩けないからひたすら受け入れ舌も入れて来て

皆んなに呆れ顔されました。

「フィーネル、俺らもあんな濃厚しような」

「えっ?嫌よ!!」

「許さーん!!結婚なんてまだ早いだろ!!」

カルト様の妹溺愛っぷりが加速してしまって結婚の話が出るとすぐフィーネルの所に行くと言う

溺愛っぷりになったと聞いたけど、今はこの長いキスに耐えないといけない。

「サッ…長っ…」

「俺の長い年月の愛してる証拠」

祭司様が呆れ顔で終わるまで温かく見守って下さいました。


「もぉー!!長いのよ」

「もっとでもいいんだけどな?」

外に出て皆んなに祝ってもらう事になった。

「リーネ、綺麗よ」

「ありがとう。フィーネル」

フィーネルと嬉しくって抱きしめあったらベリっと剥がされてそれぞれ私はサンの腕の中。

フィーネルは、ヨークの腕の中に入る。

「サン?」

「ヨーク?」

「リーネは、もう俺のなんだから俺以外抱きついちゃダメだ」

「フィーネル、まだ誓い合ってないけどダメだろ?俺の腕の中じゃないと」

「「えっ?!」」

2人で顔を見合わせてしまった。どれだけ嫉妬深い男たちなんだろうか。

「ふふっ…。お互い大変ね。リーネ」

「そうね。フィーネル」

愛おしい男性達を2人で見てしまった。

「サン、いつだって貴方しか見てないわよ?」

「ヨーク、私だって貴方しか愛せないけど?」

2人で似たり寄ったりの言葉で後ろを向いていたから向き合って胸の中に入る。

「リーネ、愛してるよ」

サンは手を持ち上げて手の甲にキスを愛を囁いてキスをしてくれた。

ヨークの所は、フィーネルがヨークの剣を借りてカルトと対決するらしいけど、マリスナ様とジャック殿下が来てくれて危うく兄妹の決闘は今日は流れたけど後日試合。

血の気の多い兄妹です。



「ふぅー…疲れた…」

「お疲れ様、サン」

スゥーカ家の私とサンの寝室の長椅子にサンは疲れたらしく座ったからお水を差し出した。

「フィーネルとヨークは大変ね。妹思いのお兄ちゃんがいて」

「そうだな。その分俺は幸せもんだと思わないか?」

「あらっ?なんで?」

サンの横に座り水を飲む。

「ションにも好かれて父にも義母にも好かれてる可愛い愛おしい奥さんが居てくれる」

「それなら私も幸せもんよ?おモテになられて愛おしいカッコいい旦那様がこれから側に居てくれるんですもの」

と覗き込んで笑った。

「リーネ、誘ってんだろ?誘ってんな。よし!

乗ってやる」

「えっ?誘ってないわよっっ」

サンが急に私を抱っこしてベットに降ろした。

「今日は初夜だし、赤ちゃん作ろうなぁ〜〜」

「赤ちゃんね…、赤ちゃん!?」

ブワワワッと顔が赤くなった気がする。

「可愛いな。リーネ」

「もぉ、サンったら」

サンが私の髪の毛を撫でる。

「色々あったけどもう離さないからな」

「うん。もう離さないで。捕まえていて」

目を瞑ってサンを受け入れた。


私の意地悪・溺愛騎士様…私のことが嫌い?好き?


俺の可愛いくって愛おしい女性…それはね…


「………だよ」

「ふふっ。ありがとう」

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意地悪・溺愛騎士は私が好きor嫌い!? @B4RS

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