第10話
5話:恋愛三週目の僕らは恋をしない
戸雅はネオンライトの光る真夜中の道を歩いていた。
夜だと言うのに街は明るい。
今日は酒が飲みたいーー。
恭々橋は道を歩いていた。
仕事が遅くなり、残業となった。
また行こうか、あの店に。
「「…あ、」」
目の前の人物を見て呟く。
声が重なった。
「…恭々橋さん…。」「…戸雅さん…。」
二人は感極まりながら会うわけでもなく、ゆっくりと静かに歩み寄った。
「…今日は飲みで?」
戸雅が尋ねる。
「…えぇ。まぁ。」
恭々橋は頷いた。
少しの間沈黙が流れる。
「「…あの、聞いて欲しい事がーー」」
また声が重なった。
二人は困ったように微笑みながら、続きを話す。
「「…恋の話。」」
これは二人の恋のお話。
これからは一周目の恋の始まり。
恋愛三週目の僕らは恋をしない。 抹茶 餡子 @481762nomA
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