第21話

なんて不思議なんだろう。

あんなに生きるのも苦痛だったのに、ここに若菜ちゃんがいてくれる日が、待ち遠しくて仕方ない。

あの少女の笑顔や優しさは、私の人生、私の性格。私を変えてくれる、そんな気がする。

そんな存在なんだ。

大袈裟じゃなくて、私には本当にそんな素敵な存在なんだ。


少女が、どんなに祖母を思っていたのか、少女の表情を見れば理解出来た。


私は、少女の為に少しでも元気に明るく、そして制度を使わず、待ち望まずいよう。

そう思った。


出会えたおかげで私には、こんな素敵な気持ちを知ることができて、少女には本当に感謝している。

ありがとう。なんて、そんな言葉では足りなくて少女に何が出来るだろうと考える事が、また幸せを感じれた。


私は、60歳で良かった。


私のこんなちっぽけな感情や出来事だけど、生きるという意味を知れた私は幸せなんだ。

私は生きていたい。


生きたい。

そう思えた。

制度を利用する前で本当に良かった。

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