第20話

なかなか人には言えず、友達や親、先生などにも言えないので苦しくて毎日グルグル気持ちが自分でしている。そう話してくれた。

私の様に関係がない他人は、少女には救いだったのかもしれない。

私は少女が寂しく思い、こんな幼い子が一人で抱え込み悩む事を、なんとかしてあげないな。そう思っていた。

私に不思議な気持ちを感じさせてくれた少女に。


「お母さん達は、お仕事なんだよね?」

「うん。19時くらいに帰ってくる」

「そうかそうか。おばちゃんはね、お仕事がいつも16時に終わるんだ。だから16時半にここにいるよ。

今回職場が近くてね。買い物をしても17時にはいる」

「うん」

「あなたが良ければ、たまに遊びにきてくれないかな?」

「いいの!?」

「もちろん。おばちゃんもすごく嬉しいんだ、でもね、もしも親御さんに聞かれたら正直話すんだよ。嘘はダメ。でも聞かれないなら内緒にしようか?」

私は、いいことではないと思いながら、口に人差し指を当てると、くすくすと笑って、ふたりで秘密。そう言っておやつを食べた。

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