【百合小説】二人の愛の軌跡 ―二人の物語が創る絆―
藍埜佑(あいのたすく)
第1章 愛を求めて
エイダは、動物病院の窓から差し込む夕陽を見つめながら、深い溜息をついた。28歳の動物看護師として、彼女は日々、動物たちの世話に励んでいた。しかし、その優しい笑顔の裏には、誰にも言えない悩みが隠されていた。
エイダは10代の頃から、自分が性別を問わず人に惹かれることに気づいていた。それは彼女にとって、喜びであると同時に不安の源でもあった。社会の目を気にして、自分の本当の姿を隠し続けてきたのだ。
ある日、エイダは友人の紹介で、ユキという女性と出会った。ユキの自由奔放な性格に、エイダは瞬時に魅了された。二人は意気投合し、やがて恋に落ちた。
エイダとユキの関係が深まるにつれ、二人の間には新たな扉が開かれていった。ある夜、ユキはエイダに向かって、少し恥ずかしそうに、しかし目を輝かせながら言った。
「私、BDSMに興味があるの。エイダも試してみない?」
エイダは一瞬、言葉を失った。BDSMという言葉は知っていたが、自分がそれを実践するなんて考えたこともなかった。戸惑いを隠せず、エイダは小さな声で答えた。
「で、でも……痛いんじゃない? 私、怖いわ」
ユキは優しく微笑み、エイダの手を取った。
「エイダ、私はあなたを傷つけたいんじゃないの。BDSMは痛みだけじゃないのよ。信頼と愛情があってこそ成立するものなの」
ユキの真摯な瞳に、エイダは心を揺さぶられた。その夜、二人は長い時間をかけて話し合った。エイダの不安や疑問に、ユキは丁寧に答えていった。
次の週末、エイダはドキドキしながらユキの家を訪れた。ユキは優しく微笑みながら、エイダを迎え入れた。
「怖がらなくていいのよ。いつでも止められるから」
ユキの言葉に、エイダは少し安心した。
最初は軽い拘束プレイから始まった。柔らかな絹のスカーフで手首を縛られ、ユキの愛撫を受けるエイダ。自由を奪われた不安と、ユキへの信頼が交錯する。その微妙なバランスが、未知の快感をエイダにもたらした。
「ど、どう? 気持ちいい?」ユキが優しく尋ねる。
「う、うん……なんだか変な感じ。でも……悪くないわ」エイダは頬を赤らめながら答えた。
エイダの心の中で、これまで抑圧していた欲望が少しずつ目覚めていくのを感じた。それは怖くもあり、同時に解放感をもたらすものでもあった。
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【百合小説】二人の愛の軌跡 ―二人の物語が創る絆― 藍埜佑(あいのたすく) @shirosagi_kurousagi
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