恋愛嫌い高校生、最高級のフラグが立つ。

すだち(現役中学生)

#1 ベタにもほどがある。

隼人はやと〜ご飯よ!」

「はいは〜い」

ハイは一回!という母親の声が聞こえてくる。朝からうるせぇなぁ、おい。

「今日から新学年なんだからしっかりしなさい!」

「あんまり変わらないじゃん。受験だってまだだし」

そんなことないわよ!っというさっきよりもつよい声で言ってくる。

やべぇ、面倒になるかも・・・けど実際あまり変わらないし

通っている中宮寺高校は普通科で人も多いというわけでもない都市から少し離れた学校で全校生徒もせいぜい500人ほどだ。

あ、でも後輩ができるのか...さん付けとか先輩呼びはあまり好きではないから声をかけられたら片っ端に

『敬語はやめて。タメ口でお願い!恥ずかしいから!』とでも言おう。

相手が嫌と言っても圧をかければどうにかなるだろう...まぁ自分にできるかどうかは知らんけど()

俺は部屋に戻りため息を漏らす

「今日から2年生か...小中のときもだけど実感わかないな...」

本当に実感がわかない。あれだ、ゲームで同じ敵をずっと攻撃していたと思ったら、途中から別の敵に変わっていたぐらい実感がない。...とてつもないぐらいわかりづらい例えになってしまったな...ゲーム脳にもほどがある。

その時アラームがなった。出発時間を知らせるアラームだ。俺は音楽アプリから流れている曲を切り

「尾上」と書かれた黄色の名札を胸元につけ部屋を出た。

「行ってきま〜す。」

「ちょっと待ちなさい。ネクタイがちゃんとしまっていないじゃない」

そういい母がネクタイを直してくれた。服装とかどうでもいいんだけど...

「そんなんだからモテないし、彼女もできないんでしょ!」

...俺は母が言っていることを聞き流し、

「ほんじゃぁ行ってきます」

「ハイ行ってらっしゃい。気をつけてね」

母に見送られ、家を出て2習慣ぶりにいつもどうりの通学路を通る。

俺はそっと小さな声で

「別にモテなくてもいいし、彼女もいらないし...恋愛なんて何がいいんだが...」

そうつぶやいた。

俺はそこらへんにいる量産型の普通の高校生...だが一つだけ違うところがある。


俺は恋愛が嫌いだ。


なんで彼女を作るのかわからないし、性欲もない...

もし、泳いで山口から韓国を目指すか、彼女を作るのか選べ。という選択を責められても自分は余裕で前者を選ぶほど嫌いだ。

まぁそんな選択を責められることは絶対にないと思うけど...。

またわかりにくい例えをしてしまったし、いくらなんでも小説の読みすぎだ。

ふと横を見ると桜の木が満開で春が来たんだと実感する。

「今年度も頑張るかぁ!今年の目標は、FPSゲームのランクの上位を取ること!」

勉強に関係ない..?イヤーソンナハナシキコエナイナ~

そんなどうでもいいことを考えていた矢先だった。


「ヤバ!急がないと!」


急いでいる女の子の声が聞こえてきた。聞いたことない声だったが一瞬で中宮寺の子という事はわかる。

だって、この道中宮寺の人以外ほとんど通らないし...聞いたことない声だから先輩化新入生か...?

けど、まだ遅刻まで20分ほどある。学校はここから5分ぐらいの距離なので急がなくてもいい気がするが...。なにか理由でもあるんだろうか。


「まぁいいか...どうせ俺には関係もないこと...おわぁ!痛てぇ!」


曲がり角に差し掛かったとき、影が見え誰かとぶつかってしまったようだ...

「大丈夫です...か...?」

その時寒気が走った。

相手は中宮寺の子で間違えではなかった...だが...

「イテテテテ...」

彼女の「葉宮はみや...?」と書かれた名札の色...黄色だ...

「貴方何すんのよ!痛いじゃない!」

俺、何もしていないよ!?流石に理不尽じゃない!?それより...


黄色は2年生の色...つまり同じ学年。だがこんな子は知らない...てことは彼女は...


「よく確認してから通りなさいよ!」


転校生...


彼女は行ってしまったが、小説好きな俺にはわかる。

新学期に登校中、曲がり角で転校生の女性とぶつかる...これは...間違いない...

なんで...なんで...こんなベタなことが...なんで...恋愛嫌いな俺に...


超絶ベタな恋愛フラグが立つんだよぉおおおお!!!!!!!


あと普通にぶつかったところ痛てぇ!!!!

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恋愛嫌い高校生、最高級のフラグが立つ。 すだち(現役中学生) @Sudati_kankiturui

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