第11話
「ただいま」
誠也が自宅に帰った。
「あなた」
ナズナが泣きながら顔を見せた。
「どうした?」
「マスコミがいっぱい押しかけてきて」
「そうか、やっぱりやつら来やがったか」
誠也は予想していたことにはあまり驚かなかった。
「それで?」
「あとであなたの口から話すということを約束して
帰ってもらったわ」
「康太は?」
「大丈夫、いま、二階で寝てる」
「そうか」
誠也は少し安堵した。
やはりそれは康太の身の安全がいちばん気がかり
だったからだった。
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