第10話

(美沙木浜原子力発電所、何者かに喰われる)

(放射能漏れはゼロ。一緒に怪物が食べたか?)

(街で頻発する胴体切断事件との関係は?)

(本誌記者に怪物の事を予告した本誌あてへの匿名の手紙が届く)

スクープ記事を発表した週間報徳はその週

売れに売れた。増刷に次ぐ増刷で編集部は

歓喜に包まれた。

「いやーっ、誠也さま、神様、仏様」

柳田が誠也を手放しで賞賛した。

「我が編集部へようこそ。きみこそ

我が編集部の宝だ」

柳田の賞賛はとまらない。

誠也は何か気恥ずかしくなってきて、顔を

赤らめた。

「おふくろが行方不明なんです」

「えっ?」

柳田の顔色がサッと変わった。

「それは心配だねえ」

「ええ」

「まあ、またひょっこり顔を見せるさ」

「そうですね」

 誠也はそう言って納得するしかなかった。

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