第9話

「美沙木島、どうだった?」

編集部では柳田が誠也を待ち構えるように

待機していた。

「スゴイっすよ。跡形もなく何者かに食われちゃったみたいで」

誠也がそう言ってデスクにカメラを置いた。

「信じられんな。そんなこと。この目で見てないから

尚の事信じられん」

「見たら余計信じられなくなりますよ。この世の物とは

言えない光景というか」

 誠也は多少の興奮を押し殺してそう話した。

「一体何者だろうな? 食べたやつは」

「それが目撃者もいないようです」

「そいつは透明人間みたいなもんか」

「そうかもしれませんねえ」

誠也も驚きを隠しきれずにそう喋った。

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