第7話

「おかあさん、何にする?」

レストランでなずなが母親のフキに

メニューをたずねた。

「そうだね、いつものナポリタンでいいよ」

フキは穏やかな笑みを湛えたまま

そう喋った。

「誠也さんは?」

「仕事。まったく仕事人間なんだから」

「仕方ないわよ。それ覚悟で結婚したんだろう?」

「そういうこというと」

なずなが辺りを見渡して、人がいないことを

確認した。

「えっ?」

「こうだ」

なずながフキを頭から食べた。

「ああ、うまかった」

なずなは平然としていた。

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