SF短編の書き方
雨宮 徹@クロユリの花束を君に💐
SF短編の書き方
SFを書きたいけど、書けない。そんな方向けの創作論です。
※長編はVRMMOが主流ですので、今回は短編についての書き方・思いつき方です。また、短編を中心に扱うので、長編向きのスペースオペラなどには触れません。AI、ロボットが中心です。
SFを書くにあたって必要なものは、ズバリ柔軟な発想力。「柔軟な発想力ないから……」と読むのをやめようとした、そこのあなた! もう少しお付き合いください!
そもそも、SFとはなんぞや? から始めましょう。SFはサイエンスフィクションの略。科学的な空想に基づいた小説のことです。「科学的な空想」と聞くと、科学に詳しくないと書けないなんて感じるかと思います。
SFには別の捉え方もあります。有名な漫画家 藤子・F・不二雄氏は「少し不思議」と捉えました。「どこでもドア」は理論は別として、「あったらいいな」という不思議な道具です。SFは空想小説なので、「少し不思議」から壮大なスペースオペラまで、なんでもありなのです。
SFの定義が分かったところで、次は「何を題材にするか」です。最初は「AIが発展したら」や「ロボットが普及したら」など、身近かつよくある題材を扱いましょう。題材が豊富なのでAIものが書きやすいかもしれません。
AIについては2045年にはシンギュラリティが起こるとも言われています。シンギュラリティはざっくりいえば、AIが人間の知能を上回ることです。AIが仕事を奪う、といった題材を扱うのもありです。答えは人それぞれだからです。
もう一つの「ロボットが普及したら」。これはAIより難しくなります。「ロボット三原則」が絡むからです。以下、Wikipediaからの引用です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ざっくり言えば、ロボットは人間の安全→命令への服従→自己防衛の順に動きましょう、ということです。先ほどのAIとは違い、ロボットは人間を凌駕する力を持っても、人間に服従しなければならないということです。
ここで頭がこんがらがるかもしれません。しかし、これを扱えるようになれば、大きな武器を得られます。具体的なシュチュエーションに落とし込みましょう。
例えば、ロボットを使って麻薬の取引をするとしましょう。ロボットの胴体に隠すなどして。ロボットはデリバリー宅配ロボットとします。店側が麻薬を隠し、利用者が麻薬を受け取る。その後、ロボットの胴体に現金を入れる。なんの問題もなさそうに見えます。
ここで、「ロボット三原則」の登場です。麻薬は人間に害を及ぼします。ですから、一条の危害と捉え、命令に従わないことが考えられます。これは身体的なものですが、精神的、金銭的な危害でも構いません。危害の定義はありません。
精神的な危害で例をあげてみます。例えば、ロボットによって育てられた子供がいるとします。親は子守りをするために買ったが、子供はロボットにいい意味で依存するようになった。ここで、親がロボットを捨てると言えば、子供の精神は不安定になるでしょう。すると、ロボットは親の命令で子供から離れるよりも、子供の精神的な害を取り除こうとして、より子供に寄り添うかもしれません。
ここまで、「ロボット三原則」の具体例を見ました。簡単にまとめると、命令に従うと人間に害が及ぶというシュチュエーションを作ればいいのです。上の例なら、ロボットとの絆の感動小説が書けます。「ロボット三原則」はあくまでも小道具です。
冒頭で「柔軟な発想力が必要」と書きましたが、「ロボット三原則」を使えば論理的な思考の持ち主でもSFが書けるのです。
最後にまとめます。
・SFはなんでもあり
・最初はAIやロボットを題材にする
・「ロボット三原則」を使えば、柔軟な発想力がなくても書ける
こんなところでしょうか。みなさんの素敵なSF待っています!
SF短編の書き方 雨宮 徹@クロユリの花束を君に💐 @AmemiyaTooru1993
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。