7.スコップ/スコッパーって何?
皆さんは「スコップ」あるいは「スコッパー」という言葉をご存知ですか? 私はつい最近まで知りませんでした。
でも実は、前回の第9回カクヨムWeb小説コンテスト(長編小説)では、同時開催された「カクヨムコン読者まつり」の一環でスコッパー賞が新設されていたのです。私はこの記事を書こうと色々調べるまでそんなことをすっかり忘れていました。この賞の受賞者は、「受賞作品に対して文字ありレビューを投稿したユーザーのうち、受賞を的中させた作品数とレビュー内容を総合的に評価して」選出されたそうです(賞金10万円!)。ですが今年開催の第10回では、同時に新設されていた最熱狂賞&最熱狂レビュー賞とともになくなっていました。最熱狂レビュー賞に選出されたレビューを見てみましたが、いいねが2つとか4つしかついておらず、盛り上がりに欠けたからなのかもしれません。
「スコッパー賞」のスコッパーが何を意味するのか、私には受賞者の選抜方法を見ても分かりませんでした。そこで小説家になろうでスコッパー関連エッセイ(後述)を書いて『なろうファンDB』を創設・運営している新大宮さん(エッセイ名義)/なろうファンDB管理人さんに尋ねてみました。それによれば、スコップとは「意図的にランキング外の作品を探して読む」ことを指します。その他にももう少し条件が加わりますが、それについては後述します。
『なろうファンDB』:https://db.narou.fun/
この言葉の起源までは私には分かりません。でも、同じく新大宮さんのエッセイ『スコッパーになろう! ~ランキングが気に入らないならスコップすれば良いじゃない~』(リンク後述)によれば、5チャンネルの文芸書籍サロン板でマイナー作品を紹介する人々がスコッパーと呼ばれていたそうです。なので、5ちゃんねる(古くは2ちゃんねる)のこの板の住民が「スコップ」とか「スコッパー」という言葉を使い始めたのではと私は推測しています。
私がこの言葉に出会ったのは、『ただ鴛鴦を羨みて』(水城洋臣さん作)の紹介記事(2024/10/5公開)を書くために水城さんの他の作品をチェックしていた時でした。
水城さんは、「カクヨムに投稿されている中国史関連作を劇中時代別にスコップ」するエッセイを書いています:
『カクヨム中国通史年代記』
https://kakuyomu.jp/works/16816927859652865113
このエッセイのキャッチコピーと紹介文を初めて読んだ時、「スコップ」って何?と思ってネットで検索しましたが、最初は土堀り道具としてのスコップしか出て来ませんでした。そこで「Web小説」を検索用語に追加したら、本記事で最初にも書いた、新大宮さんのスコッパー関連エッセイが小説家になろうで見つかりました:
『スコッパーになろう! ~ランキングが気に入らないならスコップすれば良いじゃない~』
https://ncode.syosetu.com/n6557gg/
『スコッパーと水属性の魔法使い』
https://ncode.syosetu.com/n4510gu/
『スコッパーは作品紹介エッセイに挑戦したようです』
https://ncode.syosetu.com/n5506hh/
『掘る、そして読む 〜小説家になろうのオススメ作品紹介〜』(3級スコッパー名義)
https://ncode.syosetu.com/n4649ha/
最後から2番目のエッセイのタイトルを見て私は「ん?」と思いました。「スコップ」(スコッパーは人間、スコップは人間の行動を指す)と「作品紹介」は違うのか? なろうの感想欄で新大宮さんに直撃しました。そこでいただいたのが、上記にも書いた返答でしたが、もっと詳しく書くとこんなご意見でした:
・スコップとは「意図的にランキング外の作品を探して読むところまで」を指し、「紹介の意味は必ずしも含まない」
・「スコップに加えて作品紹介までする人はインフルエンサーと言うのが適しているのかもしれ」ない。
でもランキング外で気に入る作品を探して読むだけだと、その作品がお勧めであることが他の読者に知られないままです。そこでスコッパーは布教活動をします。このようにスコッパーがスコップした作品の紹介は、「スコップレポート」と呼ばれるらしいです。
「スコップレポート」という言葉を見つけたのは、カクヨムでも「スコップ」や「スコッパー」をタグに入れている作品があるかなと検索した時です。カクヨム投稿作品を紹介することが「スコップレポートと呼ばれるらしい」と作品紹介文で述べ、タイトルにも使っているエッセイを見つけました。それが秋田健次郎さんの『読書日記(時々スコップレポート)』です:
https://kakuyomu.jp/works/16817330668807593253
カクヨムの検索結果をよく見れば、上記の秋田さんのエッセイを始め、投稿作品の感想を書いて紹介するエッセイが何作もあります。しかも、私が作品の感想を書いて紹介すると鼻息荒くして(ヘンタイではありません)息巻いてこのエッセイを始めたずっと前から公開されています。それらの作品のうち、秋田さんの『読書日記(時々スコップレポート)』を本エッセイの「エッセイ・ノンフィクション」枠で紹介します。
感想・作品紹介エッセイが他の感想・作品紹介エッセイを紹介するって冗談みたいに思われるかもしれませんが、私は本気です。自分がやりたかったことを既にしている先達を無視し、さも自分が始めたかのように振舞うのは恥知らずでしょう。でもそれ以外にも私が他の感想・作品紹介エッセイを紹介したり、このエッセイを続けたりする意義もあるはずです。
感想・作品紹介エッセイは、当然のことながら(たまには重なることもあるでしょうが)それぞれ違う作品を紹介しています。さらに言うと、秋田さんの『読書日記(時々スコップレポート)』は、そのタイトルからお分かりのように、プロの小説家の作品の読書日記がほとんどで、それもカズオ・イシグロみたいな純文学からミステリー、SF、ファンタジーのようなライトノベルまで幅広く紹介しています。
感想・作品紹介エッセイの目的としては、自分の読書メモも考えられるでしょうし、読者に素晴らしい作品との出会いを提供するため、またはユーザー同士の交流を深めるためと色々あると思います。
私は元々、このエッセイを作者応援のために始めました。私が気に入って読んだ作品の中でも大量の投稿作品の中で埋もれている作品が多々あります。そのような作品を紹介することで、新しい読者がついたり、コメントやレビューをもらえたりすれば、作者の創作意欲アップの一助になるだろうかとおこがましいながらも思ったのです。
統計を取ったわけではないですが、私が普段交流したり、作品を読んだりする作者さん達は、カクヨム登録2、3年以内の方が多い印象です。そういう私もカクヨムには2022年11月29日に登録しました。もちろん、カクヨム以外でWeb小説を投稿している方や、Web小説を一切投稿しない公募組もいるとは思います。そういうカクヨム以外で活動している作家さん達にこのエッセイはほとんど届かないと思いますが、カクヨムで活動している作者さん達にはこのエッセイの声が届けばいいなと願っています。
とは言っても、ひょろさんのエッセイのように、私のエッセイで紹介されて作品フォローが激増することは残念ながらありません。それでも自作を紹介したいと他人がいるというだけで嬉しくならない人はいないと思います。
ただ、このエッセイを書き進めているうちに作者だけでなく、読者にも役に立てられるものなら立ちたい気持ちになってきました。読者の皆様が私の紹介記事でお気に入り作品に新たに出会えたり、他のユーザー同士でもっと交流したりできるように本作品が少しでも役立てるといいなとも今は思っています。
最初は批評エッセイを見て自分も!と始めたこのエッセイですが、私には批評できるほどの読解力がないし、楽しく感想を書いて紹介したいので、作品感想と紹介を書いて、時々このようなWeb小説関連の話題を思いついたら投稿していきたいです。
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【追記2024/10/19】
本記事で言及した秋田健次郎さんの『読書日記(時々スコップレポート)』の紹介記事を投稿しました。よろしければ、ご覧下さい:
https://kakuyomu.jp/works/16818093085464641449/episodes/16818093086270199221
「物書き徒然日記」の記事番号6がとんでいますが、11月に割り込み投稿の予定です。
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