大人になるから

制限

「すいません、18時までしか遊べないんですよ15歳の人は。」

いつも行ってるカラオケで、店員さんに言われた。ついこの前までは18時以降も遊べていたのに、今は規制が厳しくなってしまった。でもこの規制は15歳までのようで、16歳になるともう少し遅くまで遊べるらしい。だいたいそれが僕が前まで遊んでた時間くらいまでだ。

僕はがっかりした。仕方ないことだけど、15歳と16歳っていうたった1歳差だけでこんなに自由度が変わるのかっていう不満があったんだ。

それに、友達はみんなだいたい16歳を迎えていたってのに、僕は誕生日がみんなより遅くて、まだ15歳。僕だけが帰る羽目になっちゃう時もあった。

「はぁーなんなんだよ、僕が15歳だからってそんなに違うのかな。」

不満を1人の帰り道に、ぶつぶつとつぶやく。それで規制が前みたいに軽くなったりはしない。

だけど、そういえば今考えてみればこんなことしょっちゅうあったな。何かの制限に引っかかることなんて。

例えばゲームの年齢制限とか。だいたい有名な面白そうなゲームとか流行ったゲームとかには年齢制限が高めに設定されていて、親にやりたいと言っても許されなかった。

友達はそんなの無視してやってたけど、僕の親はそれを許さなかった。

FPS系のゲームなんて特に年齢制限が高くて、これもまた16歳とか、さらに高ければ18歳まで。流行った当時の僕がプレイできる年齢のゲームなんて、ほとんどなかった。

友達は「お前もやれよ」って言うけど、僕はそのゲームで銃を撃つことも、そもそもダウンロードをすることすら出来なかった。

それから数年、やっとそのゲームができる年齢までなったと思ったら、今度はまた違うゲームをみんなは始めてた。

なんでか友達全員揃って、スイカを作ることを必死になって頑張ってた。数年前までは人を撃ち殺してたのに、なんてこった。

ほんとにいっつもこれだ、何でもかんでも制限、制限、制限。

年齢っていうただの、飾りついたいらない数字のせいで僕はいつも困ってる。

まあもちろん、未成年には未成年にしかない特権ってのもあるもんだけどやっぱり早く自由になりたいって思いの方が先行するんだよ。

「楽しみだな、大人になったら何しようかな。」

お酒もいつかは飲んでるのかな。あのやりたかったゲームもやれるようになるし、免許だって取れるかも。

大人になるから大変なことも増えると思うけど、大人になるから触れられる新しい何かが待ってるかもね。