第24話 Great Dictator (Of the Free World)  -2-

また、個人事業主から法人成りしたので、2人でやっていくぐらいの売り上げが上げられる仕組みは整っている。

ここで外部から出資を受けて、会社の方向性に口出しされるのはリスクが高いうえにメリットが少ない。

というか、裁量が欲しくて会社員を辞めたのに、法人化して社長になったら裁量が少なくなるのは、おそらく僕の性分から耐えられない。


そんなこんなで、しばらくの間はすべての決定とリスクを僕に集中させた独裁企業にしようと思った。

独裁企業だと言葉が強いので、ワンマン企業と呼んだほうがいいかもしれない。

みんなの意見を取り入れるという民主制は、少人数だと対立を生むことになる。

会社がうまくいっているときは良いが、悪くなったときに責任の擦り付け合いになりかねない。

それに、話し合いを重視する民主制は決定までに時間がかかるため、スタートアップ期のようなスピードが求められる企業にはあまり向かない。

国のような巨大な組織であれば時間がかかる話し合いの中で冷静さを保ち、多様な意見を取り入れ、折衷案を検討するという行為が重要になる。

ただ、K-modelのように「運用設計アプリを作って、それを広める」という明確な目的で動く場合、決定権を集約させておいた方が早く目的にたどり着く可能性が高いと感じた。


いずれ方針の修正は必要かと思うけど、当面の間は株の分配や出資は受けずに、すべてを僕の責任で進めることを決めた。

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too Late to Die 近藤 セイジ @seiji-kondo

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