第23話 Great Dictator (Of the Free World)  -1-

僕が法人を設立する話をいろいろな場所でしていたら、出資したいという人が出てきた。

少なくない額を提示されると、まぁ、単純にビビる。

それだけK-modelの事業に可能性を感じてもらっているということなので、出資の話自体は良い話である。

しかし、出資を受けるかどうかは、また別の話。


まずは企業において、お金とトレードオフできるものが何かを把握しておく必要がる。

原則として、お金は他人に働いてもらう券なので、人にお願いできる仕事が多い場合は出資や融資を受けてお金を集めるのは悪い手ではない。

飲食店や製造業であれば、事務所や店舗の調達、内装や設備の準備、従業員やアルバイトの雇用などのお金は必要になる。

ただ、僕がこれからやろうとしているのは、「俺たちが考える最強の運用設計アプリを作る」という、めちゃくちゃニッチな仕事である。

この仕事が出来るのは僕の知っている限り、梅ちゃんぐらいしかいない。

お金で集める専門家もいなければ、いきなりプログラマーを集めて開発しても、アプリは永遠に完成しないのだ。

なので、K-model創業期においてお金の重要性はそれほど高くない。

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