第14話 降り立った理由

【やっほー僕、ドラゴン♪神様の使いなり!】


転げ落ちた椅子にしがみつきながらアキトは叫んだ。

「うぉおおお」


ピンク色の空飛ぶ、この生き物はいま喋った…


ほっぺをつねってみるが、痛い。

どうやらこれは、現実みたいだ。


「え、、いま喋ったよね?」

【僕?そりゃ話せるよ!正確には心に話しかけてるからね】

「心の中で会話?」

【そう、今から口にださないで思ってみて】



なんだこの生き物…


【だから、ドラゴン!龍っていえばわかる?ねぇ、わかる?】

「本当だ、心が読まれている、んでいきなり、なんだよ」


怖いって感情よりも、疑問が勝った。


【どうやら君が、僕のパートナーみたいだね】

「はい?」

【僕ねぇ、天界から地上に落とされちゃったんだ。ひどいよね、ずっと部屋に籠っていただけなのに】

「神様の使いが、引きこもりになるなんて、なんか事情がありそう」


このドラゴンはきっとつらい思いをしたのかなっと。


【僕見ての通りに、体がピンクだろ?ドラゴンでピンクは、神様の使いにふさわしくないって他のドラゴンの子に言われてさ…】

「はぁ、なんだそれ。個性だろ。気にするなよ」

【アキトは優しいね】

「お、おう。んでパートナーってなに?」

【天界から地上に落とされた神様の使いは、パートナーの願いを1つ叶えるお手伝いをするんだ】

「願いかぁ、なんかあるかな…」



【高校生は、やはり青春!恋でしょ!神社で願ったしね】


龍は、にっこりと笑った。


――――――――






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