第5話:一応、自己紹介してみた。
「お願い・・・死んで?」
「一度死んでるんだって・・・また死ねって言うの?・・・魂になってから
俺、君のこと気にいっちゃったから、死んで魂になってもまた君に入っちゃうよ」
「もう最低」
「そんなことより自己紹介しない?・・・まずはそれが先でしょ?」
「俺、「
「ああ、私「
「つうかさ、俺君のこと知ってるよ・・・クラスは違うけど・・・」
「私もあなたのこと知ってます・・・吉野ってめちゃアホ男子がいるって・・・」
「アホ男子ってなんだよ・・・成績も運動も平均点以上だよ」
「苗字違いだよ・・・それ他のクラスにいる芳野のことだろ?」
「あら・・・そうだったの?・・・ごめん」
ふたりはお互いの生い立ちやプロフィールを紹介しあった。
「じゃ〜君のこと
「いいよ・・・私はあなたのこと壮介さんって呼ぶから」
「さんはいらない・・・他人行儀だから」
「他人でしょ?」
「いいの・・・雛ちゃんとはもう他人じゃないから・・・それに俺のダチは
みんな俺のこと壮介って呼んでるから」
「図々しい人ね・・・謙虚って言葉知らないの?」
「あのね世の中遠慮なんかしてたら、どんどん取り残されていくの」
「弱肉強食って四字熟語あるだろ・・・・それだよ」
「俺は焼肉定食のほうが好きだけどな・・・」
「うん、まあそこは賛成・・・焼肉は私も好きだから・・・」
「そ、んじゃ、あなたのことこれからは壮介って呼ぶ」
「俺が雛ちゃんの体に入っても体が拒否反応示さないみたいだから相性はいい
みたいだな?」
「私が拒否反応示してるけど・・・」
「大丈夫だよ・・・そのうち俺に慣れるから・・・だから早く受け入れた
ほうがいいよ・・・これから同棲生活がはじまるんだから・・・」
「同棲じゃなくて同居です」
「ってこれが本当の一心同体なのだよ」
「なに、えばってるの・・・あなた自分を肯定して生きてるタイプでしょ?」
「まず自分を信じること認めること、そしてそこから何ができるのかを考え、
実行する、するとかならず答えにたどり着く・・・それが大事なのだ」
「まあいいです、期本的には私の体だからね・・・壮介は私の体を間借りしてる
だけだからね」
「へいへい、だけど家賃は払えないからね・・・」
「まあ、俺がいる限り雛ちゃんの体はもう難病に悩まされることないから」
「壮介だって心臓悪かったんでしょ?」
「まあね・・・けど今は魂だけで肉体ないから関係ないの」
「でも雛ちゃんの体に入ったから今は魂じゃなく意識に変わってるかも・・・」
「だけど、これからが大変だな」
「雛ちゃんが生きてるって分かったらご家族も医者もびっくりするだろ?」
「まあ、それは生き返っちゃった〜って笑っとけばいいと思うけど・・・」
「この先、俺は雛ちゃんの家で暮らすことになるんだよな?」
「俺が雛ちゃんの家に行って雛ちゃんのご家族にクチ出ししちゃったらマズいよね」
「雛ちゃんが男の声でバカ言ってたら、今度はうちの娘は難病じゃなく精神を患ったって思われるかもしれないし・・・」
「だから俺は雛ちゃんにしかしゃべらないから・・・今後一切」
「それでいい?」
「よくしゃべるね・・・」
「まだしゃべるよ」
「だからさ、これから一緒の生活が始まるわけだから風呂に入ったりトイレに
行ったり着替えたり、その時は悪いけど俺の存在忘れてて」
「ああ〜憂鬱・・・その時だけ冬眠とかできないの?」
「クマじゃないんだから・・・だから言っただろ?雛ちゃんは早く俺を受け
入れた方がいいって」
「俺はもうとっくに雛ちゃんを受け入れてるよ」
「壮介とは立場が違います・・・私、女だし・・・もうめちゃ恥ずかしい」
「羞恥心、あるからいいの・・・それもなくなったら人間おしまいだよ」
「雛ちゃんの恥ずかしいって気持ち俺にとってめちゃ新鮮・・・いいと思う」
「何がいいのよ・・・ああ、もうそのたびに喧嘩になっちゃいそう」
雛はまだ知らなかったが、もともと死者と話せる雛は壮介の魂が体に入った
ことで霊感がさらにパワーアップしていて死者だけじゃなく、その人の魂とも
話ができる能力を身につけていた。
つづく。
雛ちゃん. Be reborn。〜冥探偵な女子高生〜 猫野 尻尾 @amanotenshi
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