第16話新たな世界へ

無の神と時の神はララ達を守ろうとするも、それ以上に街や世界そのものが危機に瀕していた。大地は揺れ、空は紫色に染まり、世界が崩壊しそうな気配が漂っていた。「出来るだけ遠くへ!」と時の神はララ達に叫ぶが、運命の女神は退路を次々に破壊していく。ビルが次々と倒壊し、光の爆発が街を覆っていた。「もう逃げられるわけないでしょ。諦めなさい」と冷笑を浮かべ、運命の女神は光を放ってララ達を威嚇する。無の女神は焦った様子で時の女神に言う。「このままだと、本当に世界が滅びるかもしれない…。天界に誘導して、そこで決着をつけましょう。だけど、あいつが付いてくるかどうか…。狙いはララ達だし、私たちがターゲットになるように仕向けないと」。無の女神は素早く左右に動きながら攻撃を仕掛けたが、運命の女神のバリアは全ての攻撃を防ぎ、微動だにしない。


「邪魔よ」と言って運命の女神は光を放ち、無の女神を攻撃するが、無の女神は一瞬でその攻撃をかわし、無数の攻撃を返す。「もう天界で思いっきりやりましょう」と無の女神が言うと、運命の女神は薄笑いを浮かべ、「覚悟はできてるのね」と不敵な笑みを浮かべ、二人は天界へと瞬時に消えていった。時の女神も続いて天界へと移動し、その場に残されたのはララとルリ。


「もう大丈夫…って、ここからどうすればいいの?」とララは戸惑い、ルリも困惑していた。「くるみさんは大丈夫かな? 早く見に行きたいけど、どうやって飛んでいけばいいの?」と落ち込むララ。その時、以前にも見たことのある黒猫が現れ、彼女たちをじっと見つめていた。ララの脳内に声が響く。「下を見なさい」。指示通りに下を見ると、空間が歪んでいるのが見えた。「そこに行けば、ここから出られる」とさらに声が響いた。


「どうする、ルリさん?」とララが問う。「どっちにしても、この場所も長くは持たないだろうし…行こう」とルリは決断を下した。「また会えるよね?」「会えるさ、きっと」と互いに心を決め、ララとルリは手を繋いで一緒に歪んだ空間へと飛び込んだ。


「さよなら、二人とも。また会いましょう」と、黒猫の姿をしたパステトが呟くと、彼女も静かに消えていった。


次の瞬間、ララとルリは眩い光に包まれ、見たことのない場所に向かって飛ばされていた。しかし、その途中で二人は引き離され、別々の方向へと消えていった。


ララが目を覚ますと、見知らぬ道を一人歩いていた。「ルリちゃん、どこ~?」と探していたが、どれだけ歩いても姿は見えない。いつしか街のような場所にたどり着いたが、車の音もなく、全く知らない風景が広がっていた。不安が募る中、一人の人物が建物から出てきて声をかけた。「あなたがご新規さんですね。冒険者ギルドへようこそ~」。


「え? 冒険者ギルド?」とララは驚き、中に入るとさらに驚く。自分の姿が変わっていたのだ。「えっ、なんで~?」


その頃、ルリもララとは別の世界で冒険者ギルドのガイドに出会い、同じようにギルドへと案内されていた。中に入った瞬間、彼女もまた自分の姿が変わっていることに気づく。「どういうことなの? ララは大丈夫?」と心配の念が募る。


「また会えるよね?」お互いのことを思い続けながら、二人はそれぞれの世界で新たな冒険の第一歩を踏み出した。


一方、天界では神々の戦いが終わることなく続いていた。運命の女神と無の女神、そして時の女神が激しい戦いを繰り広げ、天と地を揺るがす衝撃波が天界を駆け巡っていた。「このままでは天界そのものが崩壊するかもしれない…」と、時の女神は焦りながらも全力で戦い続ける。運命の女神の光と時の力が交差し、世界の行く末が決まる激闘が続いていた。

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