夢日記

椿生宗大

エピソード0

眩しい明日は転がって来ない


今日もベットの上で

時間の流れを眺めていた

真っ白だった肌にシミが増える

化粧ノリが悪くなることに怯えつつ

行動する前に受容してしまう

情けない生き方を繰り返す日々


若さを羨ましがるのはもうじきだろうと

どこか俯瞰している自分が呟く

いくつもの昨日の過ぎ方を憎むこともせず

甘やすことだけ上手になって

経験不足を嘆く三十路の自分が見える

ああはなりたくないと

内に秘めた昔の記憶が嘲笑を加える


誰よりも優れていたいと願う訳では無かった

自分の少ない努力で叶えられるものでない

分不相応な夢があった

内心それが叶わないことを予想しながら

暮らしている自分が嫌で

寧ろ極端に華やかな未来を追っているように

見せるので必死なんだろう


明日に送り 明後日に送り

少しずつ言い訳が苦しくなるのを感じながら

それでも未来の相変わらずダメな自分に任せるのは僕がダメな子だからだ


誇大妄想に取り憑かれている訳でもないのに

万能人であるような仮定を捨てれない

非現実の中で筆を走らせて

芸能人になりたいだとか

作家になりたいだとか

研究者になりたいだとか

幾らでも色んな方向に手を伸ばす

2本の腕で捕める量など忘れて日記に書きたくなる


君はどうなのだろうか


やはり夢想家だと嗤ってくれるか?


明日から頑張るという台詞を

真に受けなどしない

僕の理解者ならば


明日の夢日記くらい覗いてくれるか?

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夢日記 椿生宗大 @sotaAKITA1014

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