羊肉が臭いのはエサのせい?

 シリーズ〈家畜の科学〉5 ヒツジの科学(田中智夫編集)によれば、羊肉が臭くなる原因は主に二つで、「放牧臭」と「マトン臭」ということらしい。

 「放牧臭」の原因は、タンパク質の多い牧草を食べたことでルーメン(反芻動物の第一胃)の中で分解されたアミノ酸が人間の大便にも含まれているインドールやスカトールに変わり、脂肪組織に沈着するため。

 「マトン臭」の原因は穀物飼料をたくさん与えるとルーメン内で分岐鎖脂肪酸(プロピオン酸塩や4-メチルオクタン酸、4-メチルノナン酸など)が生成されるためらしい。

 4-メチルオクタン酸は羊だけでなくヤギの「山羊臭」の原因にもなるそうだ。


 プロピオン酸というのはかの有名なシュールストレミングの匂いの元となる有機化合物の一つ。最近調べている内にだんだんわかってきたが、臭いものにはプロピオン酸以外にも酪酸(バター・チーズ・銀杏など)やイソ吉草酸きっそうさん(チーズ・納豆など)などが含まれていることが多いようだ。

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