くさやとシュールストレミングが臭い理由は同じ
世界一くさい発酵食品として名高いシュールストレミングと日本一くさい干物くさやには意外な共通点があった?
これらの食品が臭いのには実は歴史的要因が絡んでいる。
シュールストレミングの原型が誕生したのは中世ヨーロッパ。十四世紀ごろ、北欧ではニシン漁が盛んだったがニシンは脂が多く足が早いため、干物や塩漬けなどにして保存されていた。
しかし、当時塩は貴重品でたくさん使えなかったため、できるだけ少ない塩で保存しようとした結果発酵と腐敗のギリギリを攻めるような状態になったらしい。19世紀になるとこうした塩漬けニシンの缶詰が作られるようになったが、加熱殺菌処理されなかったために中で発酵が進み、近所の人に断りなくその缶をオープンしようものなら異臭騒ぎを引き起こすバイオ化学兵器と成り果ててしまった。
そしてこれはまさに、くさやが誕生した理由と同じなのである。
江戸時代、伊豆諸島では塩を上納していたのだがおかげで島内で塩が不足し、干物を作る際にやむなく同じ塩水を使いまわしていた。結果その塩水は特有の臭気を持つに至った。
要するにどちらも塩を節約しようとした結果発酵(腐敗?)が進みすぎた、ということである。
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