世界の料理紀行

空飛ぶオランダ人バーガー?

 空飛ぶスパゲッティモンスター教、なんて言う冗談カルト集団がいたが、それとは関係なくFlying Dutchman burgerというのはバンズの代わりにを使うハンバーガーのことである。おかげで手で掴もうものなら指が油でベトベトになり、手で持って食べることができない(苦笑)

 今日はハンバーガーの話題。



 そもそも19世紀末に誕生したハンバーガーは当初そもそもただの食パンのトーストでハンバーグステーキを挟んだものだった(Louis’ Lunchという1895年に創業した老舗ハンバーガー屋では現在でもバンズを使わないチーズバーガーを食べることができる)。

 あれから時代は進み、実に様々なハンバーガーが誕生した。


●何を挟むか

 

 バンズに挟むものといえばパティにチーズ、レタス、トマト、オニオン、そしてピクルス……。

 アメリカでは基本的にhamburgerというのはビーフパティが入っているものらしく、日本のファミマやKFCで売っているフライドチキンの挟まった「チキンバーガー」はアメリカ英語ではchicken sandwichなんだとか(ちなみにイギリス英語ではchicken burgerでもいいらしい。丸く整形したひき肉であれば一応ハンバーガーとは呼べるらしく、植物由来の原材料のみを使用したヴィーガンのインポッシブルバーガーもハンバーガー)。言われてみれば確かに、マクドナルドのメニューでも白身魚のフライが挟まったものは「フィレオフィッシュ」だし、豚肉なら「マックポーク」である。

 牛肉のパティを挟むのが一番オーソドックスではあるものの、正直現在だとなんでもアリになってきている感じもする(ドムドムハンバーガーではアジフライバーガーなんかも売ってるし……)

 私が調べた限りでも、

・月見バーガー(目玉焼きなど)

・スパムバーガー(沖縄のフレッシュネスバーガー)

・ロースカツバーガー(モスバーガー)

・チキンバーガー(KFCなど)

・エビバーガー(ロッテリア、モスバーガー)

・ホタテバーガー(塩レモンホタテバーガー、フッレッシュネスバーガー)

・イカカツバーガー(イカ踊りバーガー、函館の「ラッキーピエロ」)

・豆腐バーガー

・納豆バーガー

・テンペバーガー(テンペというはインドネシアの大豆を使った発酵食品で、油で揚げて食べることも多い)

・アボカドバーガー(フレッシュネスバーガーなど)

・なすバーガー

・ゴーヤーバーガー(ジェフ沖縄)

・かまぼこバーガー(カネタ吉田蒲鉾店)

・こんにゃくバーガー(群馬・四万温泉の「デビルズタン」)

・アップルパイバーガー(J.S. BURGERS CAFE、パティにベリーソースがかかっている!)

・フライドポテトバーガー(バーガーキングのchip butty)

・チョコレートバーガー

・アイスクリームバーガー(DIESEL Glorious Chain Café)

・リアルチーズバーガー(バーガーキング 何層にも重ねられたスライスチーズのみ)


●何で挟むか


 基本的にはバンズと呼ばれる丸いパンであるが、これまたまちまち。さきほどのフライングダッチマンバーガーこと玉ねぎバーガーしかり、もはや丸くて具材を挟めるならなんでもいいというレベル。


・レタス系(モス野菜バーガー、インアンドアウトのプロテインスタイルなど)

 筋肉を鍛えたい、ロカボ(低糖質)ダイエットがしたいという方が食べるイメージ。

 まあレタスなら糖質はかなり抑えられるとは思う。 


・肉系

 逆にもうパンではなくパティ二枚で具材を挟んじゃう系。変化球としてフライドチキン二枚で挟むものもある。肉々しすぎる。プロテインは取れるからこれも筋トレしたい方向け?


・ハンバーガー

 油で揚げた二つのチーズハンバーガーをバンズとして使うふざけたハンバーガー「Ulti-Meatum」はRegular Showというカートゥーンに登場した架空の食べ物だった。ちなみに挟まれているのはチーズバーガーをひき肉で包んで焼いたパティで、まあ要するにチーズバーガーでチーズバーガーを挟んでいる。もはや意味不明。

 Binging with BabishというYoutubeチャンネルで再現されていたが、これもカロリーがやばそう。


・ライスバーガー(モスバーガー、松屋など)

 1987年にモスバーガーで発売されてからロングセラーとなったこのシリーズ。いつも思うのだがこれはただの焼きおにぎりでは?

 まぁ、お米大好きな日本人としてはライスバーガーはパンよりも親しみやすくはあるかもしれない。


・ドーナッツ

 「ルーサーバーガー」と呼ばれているが、これはチェーン店の名前ではなく、R&B歌手のルーサー・ヴァンドロスにちなむ。

 さすが、アメリカ人の考えるものは恐ろしい。まさかパティを二つに輪切りにしたドーナツで挟むとは……。カロリー爆弾すぎませんかね。

 甘いもの+しょっぱいものの組み合わせは個人的にはそこまで好きではないが、チョコレートのかかったポテトチップスとかもあるし、好きな人は好きなのだろうか。


・パンケーキバーガー

 これもネットで調べると割と出てくる。


・どら焼きバーガー

 静岡県沼津市の和菓子店「雅心苑(がしんえん)」金岡店併設のカフェで限定販売された。肉とどら焼きの皮が意外と合うらしい(?)


・カマンベールチーズ(ドムドムバーガー)

 ドムドムさんはいつも予想の斜め上をいくバーガーを作り出してくれる。いくら丸いからって、これはしょっぱすぎないだろうか。


・卵焼き

 何をトチ狂ったのかローソンが二枚の卵焼きをバンズの代わりに使ったハンバーガーを2022年に販売していた模様。


・大根

 大根を挟むのではなく、輪切りにした二枚の大根で具材を挟み込む。こちらもロカボ (?)


・りんご

 ネット上で調べると一応出てくる。個人経営のお店とかだったら、厚切りにしたりんごでお肉を挟んだバーガーとかが売ってるお店もワンチャンあるかもしれない。


●おまけ 肉夹馍 中国のハンバーガー?


 中国には昔から饃(モー)と呼ばれる焼いたパンのようなものに肉を挟んだハンバーガーに近い料理があるが、こちらはハンバーガーのバンズと違って完全に二枚に切らず、切り込みを入れて具材を間に挟む場合もある。

 そういえば、長崎の角煮まんじゅう(台湾の「刈包」というのが元になったらしい)も定義によってはハンバーガー?

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