僕の障害と、両親の持病
星咲 紗和(ほしざき さわ)
第1話 家族の病気
私の家族には、それぞれ深刻な持病があります。父は長年糖尿病を患い、その影響で腎臓が機能しなくなりました。今では週に3回、病院で透析を受けなければ命を維持できません。透析のため、長時間の労働が難しくなり、仕事を続けることもできなくなりました。結果として、年金だけが生活の糧となり、日々の生活は決して楽ではありません。
母もまた、同じく糖尿病から神経の障害を抱えています。歩くことや家事をこなすのも辛い日があります。それでも、家族のためにできることを懸命にこなしています。家の中で小さなことでも助け合わなければならない状況です。
両親は何度も入退院を繰り返しており、そのたびに家族全体が不安と心配に包まれました。入院費用や治療費が家計を圧迫し、普段の生活にも支障が出ることが多くあります。家計は火の車で、母が「お金がない、どうしよう」と繰り返し口にするのを何度も聞いてきました。そのたびに、私は無力感と不安に襲われます。
特に、父が透析から帰宅する姿を見るたび、胸が締め付けられるような思いがします。透析から帰ると疲労困憊で、食事も喉を通らない日が多い。父の体調は日によって大きく変わり、家族としてはいつもその状態を気にしなければなりません。
母も、家事をこなすのが大変な時があります。そんなとき、私はできる限り手を貸すようにしています。洗濯物を取り込み、食事の準備をし、できることは何でもやろうと思っています。しかし、それだけでは足りないと感じることも多いです。両親がこんなにも苦しんでいるのに、私は何もできず、自分自身の無力さに苛まれます。
私たち家族は、まるで病院と家を行き来するだけの生活を送っているかのようです。家の中は静かで、会話も少なく、ただそれぞれの体調を気遣い合うだけの日々。そんな中でも、私たちが互いに支え合い、どうにかやっていこうと努力している姿を、誰かに知ってほしいと思うことがあります。
家族全員が病気や障害と向き合いながら生きることは、想像以上に困難です。しかし、その中にも小さな希望や、支え合うことで感じられる温かさがあります。どんなに辛くても、私たちは共に歩み、日々を乗り越えていかなければなりません。
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