第2話 私自身の障害
私自身もまた、家族の一員として病や障害を抱えています。発達障害と診断されたのは学生の頃でしたが、周りの友人や先生たちとのコミュニケーションが上手くいかず、常に孤独感を感じていました。言葉や行動のズレからくる誤解が積み重なり、学校生活は決して楽しいものではありませんでした。発達障害というレッテルが、自分の行動全てを規定し、行く先々で壁にぶつかるような感覚に苛まれていました。
そんな私に追い打ちをかけるように、うつ病を発症したのは、社会人になった頃です。日々のストレスや、自分の障害への理解が周囲に得られないこと、そして将来への不安が重なり、心の中が真っ暗な闇に包まれるようになりました。何も手に付かず、朝起きることすら苦痛で、ベッドから一歩も動けない日々が続きました。
現在は、就労継続支援B型事業所に通い、少しずつ社会との繋がりを持つようにしていますが、一般就労は難しく、障害年金に頼る生活を送っています。事業所での作業は、自分にとって一つの支えです。箱折りやチラシの封入といった単純作業ですが、集中して取り組むことで、頭の中をクリアに保つことができます。仲間たちとのコミュニケーションも、私にとって大切な時間です。無理をせず、自分のペースで進められる環境があることに感謝しています。
しかし、経済的には厳しい状況です。障害年金と就労継続支援B型事業所の工賃で生活はしていますが、それだけでは到底足りず、両親の援助を受けながらの暮らしです。両親もまた病気を抱えており、その中での援助には申し訳なさを感じています。自分が生活を支えられず、むしろ両親に頼らなければならないことに、情けなさと自己嫌悪が押し寄せてきます。
将来のことを考えると、頭が真っ白になります。両親が今のように元気でいてくれるわけではありません。彼らがいなくなったとき、自分はどうやって生きていけばいいのか。経済的に自立できるのか、一人で生活していけるのか、不安は尽きません。いくら考えても答えが出ず、その不安が心を重くし、時には動けなくなるほどのプレッシャーを感じることもあります。
治療を優先して、今の生活をどうにか維持しているものの、将来の見通しは立っていません。進学や就職といった選択肢がすでに限られている中で、これ以上のスキルアップやキャリア形成をどうすればいいのか、考えがまとまりません。それでも、今の状況に甘んじているわけではなく、少しでも何かできることを模索しています。
自分のことだけでも精一杯なのに、両親の体調にも気を配らなければならない。孤独感と責任感の狭間で、自分がどうするべきなのか、迷いながら毎日を過ごしています。私の障害は、家族全体に影響を与えているように感じて、申し訳ない気持ちが強くなります。それでも、そんな私を両親は支え、受け入れてくれています。
今できることは、自分に与えられた役割をしっかりとこなし、少しでも両親の負担を減らすこと。家事を手伝い、事業所での仕事に集中し、自分なりのペースで日々を生きることです。小さな一歩かもしれませんが、それが私の今できる精一杯の努力です。
これから先、どんな未来が待っているのか分かりません。けれども、この障害と共に生きる道を、少しずつでも自分の力で切り開いていきたいと思います。誰かに認められることではなく、自分が納得できる生き方を目指して。
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