第2話 外道ちゃんの「ど」
前回のあらすじ 転校生は道徳教材だった。
隣に座ったノートちゃんをチラ見する。なんか、人畜無害でまっさらっぽい顔をしている気がする。間違っても人間にハリガネムシ投げたり砂場にある猫の糞を投げたり教師の車の上に置いたりするタイプの人間ではない。
いや、人は見かけには寄らない。私が名は体を表さないように――ッ!
勇気をもって話しかける。これは道徳的にたいへんりっぱな行為なのだ!
「転校生さぁ、ノート見せてくんない? 私授業聞いてなくて」
「へ? ……私もここの授業受けるのはじめてでノートなんて取ってないんだけど」
しまった。これは転校生のセリフだ!
「ご、ごめんなさい。ついはしゃいじゃって。――それより私、気分がすぐれなくて。保健室、連れて行ってくれる?」
「いやぁ……場所知らないし」
しまった! これも転校生のセリフだ! どんだけキャラ立てするつもりだてめぇ! これが萌え(死語)なのか!?
……やっと在校生に戻った気がする。気分を落ち着けて、転校生に話しかける。
「冗談だよ。ほら、ノート見せてあげるから。机寄せて」
「あ、うん……」
私は白紙のノートを見せた。左上らへんに「あなたの気持ちを書いてみよう」と落書きしておく。
ノートちゃんは、やや困惑しながら丸っこい文字で書いた。
どうすればいいんですか;;
外道ちゃんは今日もひとでなし まきまき @seek_shikshik
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