幕間 ステータス

「骸骨霊術師が出てきたってことは、ここは第二階層に近づいてるかもしれねぇな」


 ヴィルはおなじみの顎髭を触りながら、鋭い目つきで周囲を見回す。この辺りには骸骨騎士たちが看守を務めているらしく、その上には看守長である骸骨竜が待ち受けているという。どんな強敵が現れようと、俺には関係ないが。


「ところでヴィル、この世界にはレベルってものがあるのか?」


 もしこの世界がライトノベルみたいな感じなら、俺の強さが数値化されて見えるはずだ。弱者は嘆き、強者は笑う。そんな風に優劣がはっきりしている世界だろう。


「あるぜ。俺の言う通りにすりゃ、お前のステータスが見られるさ」


 ヴィルに促され、俺は試しに「ステータス」と唱えてみた。すると、目の前に浮かび上がったのは俺の詳細なデータだった。

ーーー

 零 (zero)

【レベル】 99+

【職業】 ブラック企業社員 → 復讐者

【称号】 地獄の復讐者

【HP】 9999+

【MP】 0

【攻撃力】 9999+

【防御力】 7500

【魔力】 0

【速度】 8500

【幸運】 100


【スキル】


  • 身体強化

  • 物理攻撃向上


【装備】


  • 魔法を持たない杖:魔法の力はないが、物理攻撃力を大幅に上昇させる特別な杖。


【特殊能力】


  • 復讐:相手の攻撃を倍にして跳ね返す。

ーーー

 思わず笑みがこぼれた。

 さすが「レベル99」。どうやら俺は、もう無能なんかじゃないらしい。

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