エピローグ


――数日後――

「おはようございます!」

 僕は藤宮市のバイパスにあるレストランでいつものように仕事をしていた。

 隣のお店にはパトカーが来ていた。

 なんでも殺人鬼は、隣のお店の店員だったらしい。

 今日は殺人鬼が捕まったとパートの人と店長が喋っていた。

 今日は、忙しくなるかもしれない。


「お先に失礼します!」

 そして仕事が終わり事務所をでる。

 雨が降っていた。

 傘は持っていない。

 コンビニへと走る。

 そこに魔女がいた。

「遅いわね。従者。」

「すいません。」

「まあいいわ。帰るわよ。」

 そう言ってコンビニでアイスを買って待っていた魔女が僕に傘を渡す。


 僕は死んだ。

 そして魔女の望みである従者になったのだ。

 魔女は前にいた世界では馴染めずこの世界でも馴染めず孤独だったらしい。

 従者の契約がどうかはわからないが僕は人間じゃなくなったらしい。

「魔女さん。」

「なあに?」

「僕自動車学校に通いたいんです。」

「あらいいじゃない。突然どうしたの?」

「魔女さんを隣に乗せて、ドライブデートしてみたくなりました。」

「あらあら。でも残念あなたを殺したのは私よ。もっと素敵な女性と乗りなさい。」

「僕は魔女のことが好きですよ。」

「従者としてよね……!?えっ……従者としてでしょう!?……ねえええ。」

 雨の日に魔女と僕は笑っていた。

 

 

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雨の日は君は笑う 鳳仙 @AmasihoHisama

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