スキル!

「で、でたあああ!」


少女は目の前のジェル状の敵を見て叫んだ。

すると、リュックサックを投げつけた。


「そんなビビるほどの敵なの?」


疑問に思って聞いてみた。


「だ、だってコイツ攻撃効かないんだよ!」


(確か殴ってもダメだったとかなんとか……)


その時、スライムの中心に宝石の様なものがある事に気が付いた。


(あれ弱点じゃね!?)


「俺が戦うから見てて」


石で作られた武器を握りしめる。

すると、短剣を何度も扱った事があるかのような錯覚に陥る。

恐らくか何かだろう。


「えっ!?それ武器なの……?」


彼女は若干引いてる様子であった。

そりゃ俺だって初見だったら引くだろう。

短剣はその辺で拾った石ころにしか見えないからな。


「……多分武器だよ」


そんな事を言った時、スライムは飛び込んできた。


(危ねっ!)


右に踏み込み回避すると、スライムに接近した。

そして、短剣を力任せに差し込む。


すると、スライムの体からジェルが吹き出した。

しかし、致命傷にはならなかったらしい。


それは俺から距離をとると、プルンプルンと揺れ動き挑発してくる。


(なんだこいつ!)


俺は苛立ちながら再び敵に駆け寄る。


(コピー)


短剣をしっかり握って、心の中でそう呟いた。

すると、聞き慣れた声が聞こえてきた。


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スキル「短剣術」をコピーしました。


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(予想通り!)


スライムの中心にある宝石の様な物を目掛けて、短剣を突き刺した。


すると、先程より簡単に体が裂けていった。

そして、そのままスライムの核を破壊した。


「すごっ!」


「スキルのお陰だよ」


「スキル……ってゲームとかのスキルと同じ?」


「そうそう!初めてモンスター倒したら貰えると思う」


その時だった。


「あっ」


彼女は口を大きく開いた。


「……どした?」


「スキル貰えたっぽい!」


「おお!……最初に鞄ぶつけたからかな?

それで、なんてスキル?」


「何と……」


彼女は「パチン」と指を鳴らした。


「水魔法と同時詠唱……?みたい!」


「おおお!」


強そうなスキルに俺は感嘆した。

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スキル「コピー」が不便すぎる! @kumayarooo

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