日常
「よしっ!」
ガッツポーズをして喜んだ。
その時、目の前に青く光っているゲートと宝箱が現れた。
(おお!宝箱だっ!
後……これが帰還ゲートかな?)
宝箱に駆け寄ると、思い切って開けた。
(なにこれ?)
宝箱には石で出来たゴミ……じゃなくて、
短剣の様な物が入っていた。
恐らく設定的にはゴブリンによって作られた短剣なのだろう。
(一応貰っていくか!初めての戦利品だし!)
心を踊らせながら帰還ゲートに入った。
(眩しっ!?)
帰還ゲートに入ると、街灯の光が目に入った。
それはまるで太陽の様に眩しかった。
どうやら穴に落ちる直前にいた場所に帰ってきたみたいだ。
穴が現れた場所を見てみたが、そこには何も無かった。
(攻略したって事か!
あ、やべっ!もうこんな時間!)
スマホを見てみると、時刻は18時だった。
急いで帰路に着いた。
「……ただいま」
「
扉を開くと、キッチンから声が聞こえてきた。
「休んでた時の小テストやらされてた」
咄嗟に嘘を着いてしまった。
「なるほどね!
ところで、もうすぐご飯出来るわよ!
お風呂入っちゃいなさい!」
「今日は疲れたな」
ベッドの上でスマホを触っていた。
平和な日常に、まるで今日のことは夢だったのではと疑ってしまう。
「ステータスオープン」
現れる半透明な画面が現実だと訴えてくる。
(てか、外にモンスターとかいないのかな?
調べてみるか!)
疑問に思い、まずはSNSを見てみた。
タイムラインには好きなゲームのキャラクターの絵がずらりと並んでいる。
ホームボタンを押して、
新しいタイムラインを表示すると、
ネットニュースを引用した投稿が目に入った。
海斗@永久無職
多くの人が夕方から行方不明になってるっぽい
みんな気をつけて!
#行方不明事件
失踪事件が世界で多発か
htt┈┈┈┈┈┈┈┈┈
kana
Bトンネル入ったら洞窟にいたんだけど!
ゲームのスライム的な奴いたから、すぐ引き返した
(同時多発の行方不明事件……
俺みたいにダンジョンに入った人達かな?
ところで、Bトンネルって家の近くじゃん!
明日行こっと!)
スマホの画面を消すと、充電器を刺した。
「ここがBトンネル……」
自転車で20分。
噂のトンネルに到着した。
「ここ心霊スポットとして有名だからな……
ちょい怖い……」
リュックサックから石の短剣を取り出すと、
恐る恐るトンネルに近付いた。
「ちょいまち!止まってー!」
後ろから声が聞こえてきた。
「うおっ!?」
驚いて声を出してしまった。
「なんか……ごめん」
桃色の髪の少女は気まずそうにそう言った。
「大丈夫ですよ。
……この先何かあるんですか?」
俺がそう言うと、彼女は怪談話をするかのように語り始めた。
「トンネルの向こうは洞窟になってるの!
その先には何と……スライムがいたの!」
「まじですか」
投稿内容と同じ内容だった。
「……反応薄いね」
彼女はこちらを見つめてくる。
「どうしたんですか?」
「敬語やめて!君の方が年上でしょ?」
「16です」
「私は15!年下!」
「……分かったよ
じゃあトンネル行ってくる」
「に、逃げようとしないでよ!
それに、スライムまじ強いから!
殴ってみたけど全く効かなかったよ」
彼女は説得しようとしてくる。
「……それでも行くつもり?」
「……行くつもり」
「じゃあ、私も行く!
見殺しにするのは胸糞悪いからね!」
真っ暗なトンネルに向かって歩き出した。
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