第2話  後編

 メイファとの夜の相性は良かった。メイファは、経験人数が1人だと言っていた。反応が初々しくて、かわいくて仕方が無い。小柄で華奢なところも気に入っていた。胸はあまり無かったが(Bカップ)、好きになれば胸の大小は関係無い。そして、メイファは未経験のことが多かった。なので、よく一緒にAVを見た。メイファはAVを見るのが初めてで、恥ずかしがりながらもシッカリ見ていた。


 その後、男優さんの動きを僕が再現してみせた。いろいろな形で結ばれる。メイファにとっては新鮮だったようだ。やがてメイファは夜の営みが好きになっていった。今までは、夜の営みが嫌だったらしい。


 以前、アメリカ人の女性と付き合った時にも思ったが、人種や民族なんか関係無いと思った。アメリカ人とも中国人とも昼も夜も愛し合うことができる。昼も夜も満足することができる!


 デートであちこち行った。水族館、テーマパーク、屋内プールとか。


 屋内プールは楽しかった。一緒に水着を選んだのだが、僕はビキニを選んだ。メイファがバスタオルを手放すまでかなりの時間がかかった。バスタオルを羽織っている時間の方が長かった。


 何をするにも初々しい反応をしてくれるのが嬉しかった。


 だが、メイファは僕達日本人を馬鹿にしていた。


「日本人、大卒でも英語が話せないので笑ってしまいます」

「全てにおいて、中国が1番です」

「中国人が1番偉いんです」


といった感じだ。そこで僕は! 全く逆らわなかった。


「そうやね、そうやね」


と、話を合わせていた。メイファの愛国心の強さは尊敬に値すると思った。



 僕とメイファは、半同棲生活に突入した。僕の住んでいたマンションが、メイファのバイト先まで近いということもあった。


 とても楽しかった。メイファも、行ったことの無い場所へ僕が連れて行くし、毎日の夕食が外食だったので楽しそうだった。よく考えたら、手料理を作ってもらったことが無い。作ってもらえば良かった。本場の中華料理、今頃になって食べたいと思う。特に中国の家庭料理だ。リクエストしなかったことを後悔してしまう。


 夏、メイファが、


「一度、実家に帰る」


と言い出した。良い機会だ。僕はメイファのご両親に挨拶しておくべきだと思った。


「僕も行くわ」


と言ったら、


「絶対にダメです」


と言われた。


「なんで?」

「実家には夫と息子がいます」

「え! 結婚してたの?」

「はい、言いませんでしたっけ?」

「聞いてへんよ! 絶対に聞いてへん! 僕、既婚者には手を出さへんもん」

「あら、言い忘れていたんですね。心配しないでください、また戻って来ます」

「アカン、アカンよ、結婚してることがわかった以上、もうメイファとは付き合われへんわ。不倫は嫌やねん」


 それからしばらく、メイファが“別れたくない”と駄々をこねていたが、結局、僕達は別れることになった。



 飛行場までついて行って、メイファを見送った。それだけ。それで終わり。結局は一夏だけの思い出だった。僕はため息をついてから家に帰った。女運があるんだか無いんだかわからなかった。けど、意外に、良い思い出として記憶に残っている。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

中国人女性! 既に書いた? それでは今度は詳細を! 崔 梨遙(再) @sairiyousai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る