中国人女性! 既に書いた? それでは今度は詳細を!
崔 梨遙(再)
第1話 前編
これまた30代前半の時の話。当時、僕は行動力の塊だった。以前、アメリカ人女性(いわゆる白人)と付き合ったことがあったので、今度は中国の女性と付き合ってみたくなった。急に思いついたのだ。“そうだ、中国の女性と付き合おう!”。
金曜日、僕は電器屋街の大きな家電量販店に行った。電器屋街の家電量販店には、外国人客の通訳のために中国人がいることを知っていたからだ。中国人は、中国語、日本語、英語を話せるからだ。
各階にいるはずだ。僕は1階から中国人スタッフを探した。いた! うん! 好みのタイプじゃない! 僕は2階へ上がった。家電を見ているフリをしながら、僕は女性店員の名札ばかり見ていた。
いた! 張さん。と、名札に書いてある。かわいい! 僕の好みのタイプだった。僕はパソコン周りの備品についていろいろ質問した。と見せかけて、たっぷり会話した。僕の日本語トークが思ったよりもウケた。いい雰囲気になった。僕は張さんに名詞を渡した。
「気が向いたら、食事に付き合ってください。連れて行きたい店があるから」
僕は、安いパソコンの周辺機器を買って帰った。そして、張さんからの連絡を待った。だが、夜中まで待ってしまったが電話はかかってこなかった。
ここで諦める僕ではなかった。翌日の土曜、僕はまた家電量販店へ行った。そして2階へ。他のものには目もくれず、真っ直ぐ張さんの所へ。
「なんで電話くれへんかったん?」
「すみません、本気で誘ってるんですか? 遊びですか?」
「それは張さん次第やで。張さんが本気で付き合ってくれるなら、僕も本気で付き合うで。どう? まずは食事」
「わかりました。今日の仕事が終わってからでもいいですか?」
「何時に終わるの?」
「7時過ぎです」
「じゃあ、店の前で待ってるわ。あ、名前を教えて? 苗字じゃなくて、下の名前」
「メイファです」
「ほな、メイファって呼ぶわ。メイファ、何が食べたい? フレンチ? ふぐ? 蟹? うなぎ?」
「フレンチがいいです」
「OK、予約しとくわ」
「お待たせしました」
「待ってへんよ、ほな行こか?」
「店はどこですか?」
「実は、歩いて10分から15分」
「近いんですね」
「美味しいです!」
「そう、良かった。この店、穴場なんやで」
「店の雰囲気もいいです」
「うん、僕がよく来る店やねん」
「何人の女性を連れて来たんですか?」
「数えてない。数えよか?」
「いえ、いいです」
「この店、ワインも美味しいやろ? ワイン飲みや」
いろいろ話して、メイファが僕より1つ年上だとわかった。意外だった。てっきり年下だと思っていた。メイファは中国の大学で日本語の講師をしていたが、日本の大学院に入学したとのこと。今、バイトしながら大学院に通っているとのこと。
「そろそろ出よか」
「はい」
「実は、僕の住んでるマンション、ここから歩いてスグ、10分か15分なんやけど、ちょっと寄っていかへん?」
「うーん、じゃあ、ちょっとだけ」
来たー! これでこそフレンチレストランとワインでムードを作った甲斐があったというものだ。僕は自室にメイファを連れ込んだ。
更に1杯、メイファにワインを飲ませた。メイファは良い感じにほろ酔いだ。目がトロンとし始めた。
「明日も仕事?」
「はい」
「今日はここに泊まって行ったら?」
「え! お泊まりですか?」
「このマンションなら、バイト先にも近いやんか」
「うーん、迷います」
僕はメイファをソッと抱き締めてキスをした。
その夜、メイファは僕の部屋に泊まった。メイファとの交際が始まった。
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