第10話 勝ち組の老後はパラダイス

絶対に行く事が無いのに、某高級老人ホームの事を調べてしまった。どうせなら勝ち組様の老後がどれだけ凄いのか、生きてるうちに知っておこうと思ったからだ。

とんでもなく豪華な建造物のエントランスには、コンシェルジュが24時間滞在しているらしい。入れ歯の婆さんは「コンシェルジュ」と発音出来ないに、1億ペリカ掛けても構わない。

庭は憩いの場であり、手入れの行き届いた花畑の様な光景が広がっていた。其処で美人の女性(看護師?)が、爺の乗った車椅子を笑顔で押していた。なんという腹立たしい画像だろうか。こんなヨボヨボの爺さんなのに、女神のような女性に優しくされているとは。くしゃみしたら入れ歯が100mは飛んで欲しい。




某有名人の方が、老後に備えて〇千万用意していると発言していた。一応ピー音でごまかしてあったが、大体5千万だというのは聞いていてわかった。

あのコンシェルジュ付きの超豪華老人ホームに行けるのは、この様な特権階級の人達だけなのであろう。あまりにも羨まし過ぎて、今すぐベランダからダイブした気持ちに駆られてしまう。

私が行くであろう老人ホームは、狭い部屋にすし詰め・仕切りはカーテンだけの古い仕様のものだろう。いや入れればまだマシで、高架下でブルーシート生活の可能性の方が濃厚か。

いずれにしても暗く憂鬱な日々が待っている事に変わりは無い。人生の敗者として、汚物を垂れ流しながら腐っていくのだろうか。




テレビを見ていたら金持ちらしきババア達が、皆でバスツアーに行くのよと楽しそうに話していた。やはり医療費を掛けているせいだろうか、金持ちババア供は揃いも揃って元気そうなのである。

対して「苦しい老後特集」などに出てくる爺婆は、ボロボロの衣服で最底辺の生活を送っている。スーパーの割引シールの話や服を何年も買えない話など。何の為に生きているのだろうと思う様な話題しか出てこない。

所詮人生は最後まで金次第なのだ。金さえあれば楽しくて、金が無ければ不幸確定。どんなに綺麗ごとを言ったって、それしか明確な答えはないだろう。

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あの世でもぼっち tokison @tokison

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