Webの読者なら得意不得意が確実に別れる、The小説

【前置き】

まず先に言っておきます。
この作品は得意不得意が確実別れます。

何故ならこの作品は「小説」だからです。

最初から面白い小説なんてありません。
断言します、ありません。
あったとしてもラノベです。


【作品レビュー】

基本は主人公の独白で、会話も無く淡々と進みます。
自分はこうで、こんなことがあって、今こんな感じで……みたいなのを、ずっと主人公が独白してます。
そこにコメディがあるのか?ギャグがあって面白いのか?はたまた読みやすいのか?

これ、全部否定します。

コメディもギャグもありません。
文章が短いという意味では読みやすいですが、スラスラと読めるという意味では読みづらいです。
あと、最初の方がマジで退屈でつまんないです。
ずっと主人公が独白で如何に自分が陰キャなのか、中学の時に他人の偽善で運動部に入れられて不幸になったとか、そんなことばかり言ってます。


──では何故、★3レビューなのか?


簡単です、面白いからです。

自分が陰キャ&部活が嫌い&偽善者が嫌いだと耳……いや、目にタコが出来る程説明されてる要素が、実は物語の展開に必要な要素なんですよ。
『陰キャ』は主人公の行動原理。
『部活が嫌い』は物語を進める為のテーマ。
『偽善者が嫌い』は物語最後のオチ、言わばカタルシスの源。

そこがしっかりまとまって、一つの作品としてガッチリしてました。


あとはこれですね、終わり方が良かった。
これに尽きます。

下の作品紹介に詳しく書いてるんですが、この作品は『何故先生が主人公とヒロインを友達だと思ったのか、その謎を解く』もの何ですね。
ここに言葉の捉え方による叙述トリックがありまして、主人公の出した答えが「そういう捉え方も出来るのか……」と普通に驚きました。

勝敗については書きませんが、先生に答え合わせした次の描写……まるで僕個人を刺しに来たかのような、そんな甘酸っぱい衝撃を受けたんです。

──あれはね……本当に良かった。


【簡単なレビューまとめ】

最初はつまんないけど、読み進める毎に面白くなっていく……ハルヒと氷菓を彷彿とさせる、ライトなミステリー青春物語です。気になった方はヒロインが出てくる所まで読むことをオススメします。



【作品紹介】

陰キャで偽善者が嫌いな主人公『尾緒神(おおかみ)』が教室で独りラノベを見ている時に、ヒロインである『赤堂』が強引に話し掛けてくるところから物語が進みます。

なんと、NO部なるものに入って欲しいんだとか……そんなことを、初対面の主人公に言ってきた訳です。(ここでハルヒを想い浮かべて笑いましたWWW)

何故俺なのか?そう赤堂に聞いた主人公への答えは、友達だから……

初対面なのに友達?何言ってんの?そんなことを主人公が聞くと、赤堂にとっての友達の定義とは第三者にそう思われていること。

では誰に二人が友達と思われていたのか?

それの犯人は先生で、その先生がNO部を作るのには人が居るから、まずは友達?の主人公に入って貰えば?そんなことを言った訳です。

しかし主人公、中学の時に部活に入ったことで不幸な目に合った為、死んでも入りたくないと思っているんですよ。
だから……ここでOKすれば俺、これからもコイツに頼めば、部活に入って貰える都合のいい存在だと思われるんじゃね?みたいな感じで嫌がるんですよね。

そんなこんなで主人公がウジウジしているとヒロインが言う訳です。

……先生が友達だと勘違いした理由を当てた方が勝ち。そして、自分が勝ったらNO部に入部して?ちなみに、受けてくれなかったらコレからも誘うからヨロシク。みたいなね

そこまで言うならやってやろうじゃないか!と二人がそれぞれ、先生が自分たち二人を友達だと思った謎を解く作品です。

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