あなたに伝えたい言葉

少しお休み中 猫部な茶都 うなべ

あなたに伝えたい言葉

 私は息子にお話聞かせてとせがまれるようになった。

「ねぇねぇママぁおはなしして おはなしして」

 2歳になった息子は今お話がマイブームらしい

「なんのお話がいい?絵本?」

「うーんとねママのお話」

「えっ?ママのお話?ママが作ったお話?」

 正確に言えば絵本作家をやっている私の母が作ったお話だ。

「えっとね...まえにね。ママがはなしてたやつぅ!で!楽しいお話!」

 その無垢な笑顔に私はもう微笑みが止まらなかった。そしてその笑顔はあの人の面影を感じる。

「この日々が続けばいいのに。」

「ねぇねぇおおきなこえでおはなしして!」

「うん。じゃあね行くよ」

 むかしむかしここら辺にはおおきな鳥居を持った神社がありました。

 そこの巫女をやっている少女は大変美しく、一年中参拝客で賑わっていました。

「ねねみこ?っておねーさんのなまえは?」

「…翠っておねえさんよ。」

 そこの神社にはモフモフの狐の神様が住んでいました。

 ある日掃除をしていた彼女はとある尻尾が本殿からこぼれているのに気がつきました。

『稲荷様…なのですか』

『あぁ』

 姿を見せた彼は美しい銀髪そして人を魅了する黄金の瞳。その姿は、この村1いや日本1の美しさでした。

「ママぐらいかなぁ?」

「そうで、あってほしいな。」

 この言葉が彼女の運命を変えました。それからというもの、彼と過ごす日々は彼女にとって宝石のような輝きでした。

 彼と出会って2年が経った、ある日大怪我をおった猫にであった。

 彼女らは、その猫が猫又と知りつつ助けました。

「あっ... ...寝ちゃった... ...っか…」

どうしてもその顔を見ていると銀の事を思い出す。

「ねぇこの話は、早かった…?」

もう涙が止まらなかった。

(早くなんかない) 彼の声が聞こえる。

 私は、息子にこの話を語るとき3つの真実を言わなかった。

 この話は本当だということ、この話は私がが主人公だということ。

 そしてこれの結末は…

 (翠が死ぬこと…)

(僕はすべてを知っていた。それなのにあの娘を信じたかった。)

 ごめんね。ただ貴方に、貴方に貴方に、

(僕は翠が亡くなった事を信じたくなくて最後会わなかった。)


「「君に…会いたい… 謝りたい。」」

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