第6話 広がる波紋
帰ってすぐにぐっすり眠った翌朝、スマホをチェックするとSNSで私のことが話題になっていた。
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音楽ゲームのえんどー
今日はMAKIさんとお話ししたんだけど、彼女は本気で機械越えを狙っているみたい。
本人曰く機械でも処理できない内容の曲を作ってそれで挑もうと考えているみたいだけど、それだと判定するのも機械だからスコアをつけることができないんだよね。
みんな、いいアイデアあったらリプで教えて!
拡散 2.8万
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なんと、昨日話した開発者自身が私のことを話題に出して、意見を募っているらしい。
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→機械側の性能上げるとかできないんかな?
→それはちょっと無理がありそう
→手作業で判定するとか?
→曲のほうで工夫とかできないのかな
→自分にはわからないけど頑張れ! 応援してます!
…………
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首筋を何かしらの液体が通っているのに気が付く。液体の出元をたどってみると、それは目元から出た涙だった。
そうか、私はこんなにも仲間に恵まれていたんだ。ふと、昨晩のSKYさんの言葉を思い出す。
「MAKIなら大丈夫、一度くらいで挫けないことも知っている。味方だって沢山いるんだ。大丈夫に決まってるだろ!」
そうだったよね。これは、私が紡いできた成果なんだろう。ひたすらに音楽ゲームに向き合い、高みを目指し続けた結果。
そう思うと、自信を持っていいのかもしれない。
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→MAKI
皆さん、私の挑戦に応援・協力、ありがとうございます!
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私も返信をしておいた。
さらに数日後、一通のメールが届いた。
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From:gamemaker_endo@×××
To:makimaki@×××
Title:先日の件について
昨日は直接お会いいただき、ありがとうございました。
昨日は否定的な回答になってしまい申し訳ありませんでした。
様々な検討を行った結果、ある程度構想が固まったので、一度お会いしていただきたく、メール差し上げました。
そこで、お会いできる日時をお聞かせ願えないでしょうか。
ゲームメーカー 遠藤
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正直、飛び上がるほどうれしかった。
というか実際に飛び上がった。そのままゲーム機に頭をぶつけた(ゲームセンターでこのメールを見たのだ)。
早速、返信のメールを書いた。
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Title:Re:先日の件について
ありがとうございます!
今すぐ行きます!
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相手が迷惑とか、そんなことも考えずに真っすぐ駅へと向かった。
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