第3話

[お疲れ様です。スロウと申します。配信が終わりましたのでご連絡させていただきました。]


チャットを送って数分後返事がきた。


[お疲れー、これからチームメイトなんだからそんなに畏まらなくていいよー]

[あとチャットじゃ説明難しいから通話で話さない?スロウくんカザミーやってる?]


カザミーとは風見鶏の略でチャットやグループ通話ができる通話アプリである。


「DMだけじゃなく通話!?やばい心の準備できてない」


しかし、何も返信しないままなのも感じが悪すぎる。


[通話大丈夫です!カザミーやってます!]


「あぁー、送っちゃったー」


[OKー!私のIDこれね********]


IDを打ち込みカザミーで瑠川さんとフレンドになる。

フレンドを登録してすぐ瑠川さんから通話がかかってきた。


『こんばんはー聞こえてる?』


「こ、こんばんは、聞こえてます」


『チャットでも言ったけどそんなに畏まらないでいいよー』


「わ、わかった、ちょっと慣れないけどそうする」


『うんうん、いいね!それじゃあ早速色々説明していくね』


『まず何の大会にでるか何だけど我が事務所が開催するサイクロカップに出場します!ゲームはスロウくんも配信してたレジェサバだね』


「あぁーやっぱりそうなんだ」


『おっ、その反応予想通りだった?』


「まぁ、直近で瑠川さんがでるような大会はそれぐらいしかなかったから」


『たしかにーそれもそっか。それは置いといて、レジャサバは3人チームのゲームなのでもう1人チームメンバーがいます』


言われてみればそうだ、瑠川さんとチームメイトである事実に気を取られてもう1人メンバーがいることを忘れていた。


『もう1人のメンバーは、春雨(はるさめ)桜(さくら)さんです!』


「まじかー!?確認だけどサイクロの春雨さんだよね?」


『そうそう、うちの春姉』


春雨桜とはサイバークラウドに所属するvtuberであり、瑠川さんの先輩にあたる。着物を着た黒髪ロングのお姉さんである。


「俺炎上しないかな?」 


『春姉はともかく私にガチ恋とかいないから大丈夫だよ』


笑いながら瑠川さんが言う。


『次に、君をメンバーに選んだ理由だけど、それはメンバー紹介の配信で言うね』


「1番気になるところを…」


『ごめんね、リスナーにも一緒に説明聞いてもらった方がいいと思って』


「それもそうだね、了解」


『最後にこれからの予定を伝えるね、顔合わせ兼メンバー紹介を明日して、明後日からスクリム開始だよ』


「明日!?俺が断ってたらどうしたの?」


『あはは、その時はその時かな』


「まさかのノープラン…」


『いやいや、配信見てて絶対了承してくれるってわかってたから!』


「それはそうだけど」


瑠川さんが配信を見てくれていた嬉しさからそれ以上なにも言えなくなる。


『ま、そういう訳だから明日19時から大丈夫?』


「昼からとかじゃなければ大丈夫」


『OK〜じゃあ明日19時に集合ね』


「わかった」


『それじゃあ、今日は急なお願いきいてくれてありがとう!また、明日ね!』


「はい、また明日」


ポロンという音とともに通話が終わる。


「あぁーー、緊張したーー急に通話とか心臓に悪すぎーまさかあの瑠川さんと話せるとは。しかも、タメ口で」


今日あったことを思い出しながら休憩しているとラックスの通知が鳴った。


瑠川四季[今日はありがとう!明日も19時からよろしくね]


「律儀だなー、瑠川さんはガチ恋いないって言ってたけどこんなにいい人にいない訳なくない?」


不安を感じつつ明日について考える。


「明日には俺顔合わせしてんのか、どんな反応されんだろうなーやばい緊張してきた。考えても緊張するだけだし今日はもう寝とこう。」


瑠川さんにDMを返した後、いつもより早く寝る準備をしたが緊張から寝付けず結局、いつもより遅い時間に眠りについた。

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