第2話

「えーと、『私と一緒に大会に出てくれませんか?』って、ドユコト?」


いきなりの事態に頭が追いつかない。


「スパムがなんか言ってるだけか?」


そう思いながら名前を確認すると


「瑠川(るかわ)四季(しき)!?」


瑠川四季とはサイバークラウドに所属するvtuberであり、明るい性格と持ち前のゲームセンスで多くの人を配信に集める人気vtuberだ。赤い髪に、ポニーテールが特徴の女の子である。


「ほ、本物か?いや、なりすましの可能性があるか」


本物か確認しようとチャンネルの詳細をクリックしようとするが動揺が抑えられずなかなかマウスカーソルがチャンネルの詳細にいかない。


何とか震えを抑えつつ詳細を開く。


「登録者53万人、本物だ……」


愕然とする中、さらにコメントが流れる。


『本人確認終わったー?じゃあ、改めて私と一緒に大会に出てくれませんか?』


何がなんだかまだ頭が追いついていないが自然と返事が口からでる。



「こんな俺でよければ、よろしくお願いします!」



『よかったー!じゃあ、配信終わったらラックス(SNS)にDM頂戴!大会の詳細とかメンバーについて教えるから』


「わかりました。配信が終わり次第DMします」


『OKーやることあるからまた後でねー』


「了解です」


配信の視聴数が1から0になった。


「ぶはぁー!なんだったんだ今の…瑠川さん本物だったよな夢じゃないよなっていうか、大会ってまず何のだ?」


瑠川さんがいなくなってから疑問が色々でてくる。


「まぁ、今悩んでても何もわからないしもう少しゲームやって配信終わるか」


その後、数戦レジェンドサバイバルをプレイしたが集中できるはずもなくボロボロの結果となった。


「最後の方はダメダメだったけど今日はここまで!おつロウー」


配信を終わり瑠川さんにDMを送るべくラックスを開く。


「あれ、待てよDMって相互フォローじゃないとできなくない?俺は元々してたけど…」


そう考える矢先、


「って、フォローされてるぅぅーー!?」


フォローを確認したことで瑠川さんが本物だったことの実感が沸いてくる。


「夢じゃなかったんだ、うわー配信を見てた人にフォローされてるー」


配信をよく見ていたvtuberにフォローされている事実にニヤニヤが収まらない。


「はっ…ニヤニヤしてる場合じゃない瑠川さんに連絡しないと」


頭を悩ませながらチャットを打ち込んでいく。


[お疲れ様です。スロウと申します。配信が終わりましたのでご連絡させていただきました。]


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