空と空

林檎

隣の席

3月になり、私たちは最高学年、6年生になった。

まぁ変わったからと言って何かが起こるはずないのだけど……。

「お前の名前くうって言うんや!」

「俺はソラ!」

そう言われたのが始まりだった。

私はそんなのまぁ、前から知っていたけれどそれを言うと私だけが一方的に知っているみたいになってしまうからやめておいた。

『宇野空』という名前は結構あちこちで聞く。

たしかに実際話してみて、絡みやすいタイプだなとは思ったから、そういうことなのだろう。

だが私は教室の隅でコソコソと本を読んでいるだけの人間。

あちらが私の名前を知っていたらさぞ驚いていたことだろう。

「これからよろしくね、。」

とは言っておいたがあんまり関わりたくない人種かもしれない。


ソラ目線……。


なんかからかいがいのある奴が隣になったなぁ…。

面白くなりそうだ!!!

「お前の名字って何なん?」

「宇野。宇野空だよ。えっと、貴方の苗字は?」

ちょっと困った。この学年に俺の名字を知らない奴がいるとは…。

「宇野だ。宇野空」

「へぇ、、」

宇野の名前を見ると漢字も一緒なことに驚いた。

だから、俺たちは名前の読み以外全て同じなのだ。

どうやら宇野もそれに気づいたらしく

「くうとソラって、漢字一緒なんだ…」

とかなんとか言ってきたから

「名字も一緒だと呼びにくいな…お前のこと くうって呼ぶぞ?」

って、きゅん要素の名前呼びを仕掛けてやった。

こんな風にからかっていくか…。って思ってたら

「わかったー!なら私も貴方のことソラって呼ぶね!」

とかふざけたこと抜かしやがった!!

【こいつ、、絶対惚れさせてやる、!!!】

という決意が俺の中に浮かんだ。


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空と空 林檎 @Ena3110saitou

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