第2話 放課後

 SHRも終わり、今日は部活が休みなので

やっと帰れると陸斗は安心していた。

鞄に教科書類などを詰めて

玄関の方に行こうと思っていたら、白石さんが声をかけてきた。

 「ねぇ青山君、今日一緒に帰らない?」

「えっ、、あぁでも今日は塾が…」

突然スマホに通知が来たので見てみると

『天候が悪いため、今日の塾は休みとさせていただきます。』

(やったぁぁ、僕って今日ついてるのか、ついてるのか?!)

「やっぱり一緒に帰ろう白石さん!」

「えっ、でも今日塾があったんじゃ…」

「いや、天候が悪いから塾なくなった」

「えっ?まぁ確かに、雲行き怪しくなってきたもんね」

「じゃあ、帰ろっか」

「うん!」

少し引かれているが、陸斗は白石さんと2人きりで帰れるという嬉しさで、そのことに気づかなかった。

 そんなhappyな状態でロッカーにある靴を履き替え外に出ようとしたとき、急に雨が降ってきた。

「今日雨降ると思ってなくて傘持ってきてなかった」

「どうしよう…」

(白石さんが、傘持ってきてない…だと?!

これはまさか!相合傘ができるというのか)

しかし陸斗にそんなメンタルはなく、怖くてできなかったが…

 「白石さん、今日傘持ってきてないんだろ

これ貸すよ」

「でも青山君の傘は?」

「大丈夫、僕の家結構近いし全力ダッシュで行けば問題ない」

「…」

「もしかして心配してるのか?」

「いや…別に?」

恥ずかしかったのか、とても顔が真っ赤になっていて、その様子に陸斗は少し苦笑していた。

「これで仮は返せたな…それじゃまたな。」

「えっ?あ、また明日ね。」

 そう言って陸斗は雨の中びしょびしょになりながら帰って行った。

「明日、お礼言っとかないとなぁ」





 





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

寝ていた中学生は初めての恋をする @adachinyokki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画