『✚』にすらなれない！～我々は未だ【異常】とされておりまして～

『まともな大学』ですらない！②

　なんだなんだ......？なにが起こってるんだ......？

　おかしい......一応ここは有名大学で、そこそこの難関校だったはず......

　何か厳格でも見させられいているのか......？もしくは悪い夢か......？

　一応ほっぺをつねる。

　痛い、とても。

　つまり、今目の前で自動車部がトゥクトゥクで無理やりドリフト運転して、客席に乗っている新入生らしき女学生二人がゲロをぶちまけ、きれいな円を描いているのは現実という事らしい。

　夢であってくれこんなの。

　インフル罹患した時のヤバ目の悪夢で見るか見ないか瀬戸際くらいの状況ではあるよこれ。

　ほんで、戦史研は何で大学内でゲリラ戦開催してんの？

　戦争の歴史を研究するから戦史研なんでしょ？

　どうしてそれが装備バチバチに揃えて大学内でゲリラ戦仕掛けることにつながるんだよ！

　てかなんで賞金首が前学長なんだよ！

　前学長何した？

　サ〇デーモーニングに出演してたくらいしか特に汚点ないだろ！

　むしろ大学に女生徒を増やした功労者だろ！

　どうしたらそんな人を賞金首（バウンティ対象）にしよう！って発想につながるんだよ！

　サン〇ニ出演ってそんな罪深いことなの？

　T〇Sに親でも殺された？

　てかめちゃくちゃ新入生集まってる……

　ぱっと見100人弱くらい集まってる……

　集まりすぎだお前ら！

　どんだけ前学長狩り（バウンティ）したいんだお前ら！

　やべえ登山部のカレー食った新入生が、人間が絶対にしちゃいけないタイプのえげつない痙攣してる……！

　あーもうすごいすごい、一本釣りされた活きのいいカツオぐらい体ビクンビクンしてる……！

　あ、止まった

　あ、立った

　うぉぇ⁈飛んだ飛んだ飛んだ⁈

　今ぱっと見15mくらい垂直飛びしたが⁈

　あーもうすごいすごい、洒落になんないくらい跳ねるホッピング乗った人みたいになってるよ、あの新入生……

　なにをカレー混ぜたらああなるんだ……？

　人間が食っていいタイプの奴なんだろうな……？

　ボランティアサークルに至っては、字の読むが如く慈善活動してるだけなんだからそんな騒ぐ事じゃないだろ⁈

　って拾ってるの前学長（バウンティ対象）じゃねえか！

　それはゴミじゃねよ！

　価値ある人間だよ！

　前学長（バウンティ対象）だよ！

　てかこの大学の学生、前学長に対して当たり厳しすぎるだろ⁈

　サン◯ニ出演してただけじゃん！

　そんくらいしか汚点無いじゃん！

　あ、ボランティアサークルが

　戦史研と新入生たち（バウンティハンター共）に囲まれた

　どうすんだ？引き渡すのか？

　あ！ボランティアサークルが一瞬で

　戦史研と新入生たち（バウンティハンター共）をねじ伏せた！

　強いなボランティアサークル⁈

　ボランティアサークルに入るのはやめとこ......なんか怖いわ......

　ほんで飲みサーはそんな泥酔して他人様に迷惑をかけるくらい飲むな！

　飲みサーの会長やるくらいなら、自分の限度くらい知っときなさいよ......!

　遊ぶの下手か？へたっぴか？

　あと学内での飲酒は禁止でしょうが！

　あーほら前学長（バウンティ対象）といっしょにボランティアサークルに連れてかれちゃったよ......

　どうなるんだろあの人たち......

　てか、聞いてた前評判と全然違うんだけど......?

　意外と荒れてなくて、意外と普通の大学って聞いてたんだけど？？

　普通に荒れまくってるじゃねえか！

　こんなん食べログでやったら☆一だぞ......！

　どうなってんだ本当に......?!

　何だこの大学は......?!

　何なんだいったい.......⁈

「どうした？君？そんな頭抱えて......?]

　不意に声をかけられる。

　そりゃ、漫画とかで追いつめられた小物キャラがするみたいな感じで頭抱えていたんだ......声もかけられるか......。

　顔を上げると、そこにはそこそこ体格のいい男性が立っていた。

　眼鏡こそかけているが、端正な顔つきだ。

　ただ、どっちかというとかわいい寄りの顔つきをしているため、そこそこ鍛えられている身体についている顔面と考えるとアンバランスさを感じる......

「あぁ......いえ.....ちょっと目の前で連続して起きた事象に頭が追い付かなかっただけです......」

「そうか.....？そんな変な事起きてたか?」

「いや起きてたでしょ?!ガッツリ！大量に！」

「うーん......いつもこんな感じだけどな......？」

　いつもこんな感じとかホントにどうなってるんだこの大学は。

「服装的に新入生かな......？

　それじゃあ大学の雰囲気とか知らない子もいてしかるべきか......

この大学はね、普段からこんな感じだよ

　早く慣れときな？じゃないと学歴厨拗らせちゃうぞ☆」

　「いやこれ学歴厨どうこうで語れる感じの雰囲気じゃないでしょうよ」

　あとなんだよ『だぞ☆』て。

　そんなそこそこいかつい体してるくせによ。

　語尾に☆つけれる体格してねえだろ。

　鏡見直してこいよ。

「今君心の中で俺のことバカにしたでしょ

　語尾に☆つけてんじゃねえよ顔だけかわいいなかやまきんに君の下位互換のくせによって思ったでしょ」

「そこまでは思ってないすよ！

　あと体格は普通にいいでしょ」

「ありがと☆

　でもこれ以下の罵倒は考えてたってことだろ？」

　すげえ上段と下段で声色メッチャ変わるじゃん

　その顔から出るにはドスが効きすぎてるけど、その体格から出るにはぴったりなのなんなの？

　頭バグりそうなんだけど

「まあいいよ、新入生だし許してあげるよ今回だけ特別にね特別だよ特別だからね出血大サービスなんだから覚悟しとけよカスが」

　ぜんぜん許してねえよこの人.....

　怒りが全身からあふれ出してるじゃん......

　覇気だけで大地を揺るがしてんじゃん......

　地面のコンクリートヒビ入りだしてるじゃん......

「じゃあ出血大サービスその一ね！

　うちのサークルの見学来てよ！」

「はあ、まあそのくらいなら......」

　怖えしここは素直に従っておこう......

　怒りのパワーで大地を揺るがす系マッチョと戦闘して生きて帰れる気しねえし......

「ハイ言質取った言質とった言質とったよ！

　ハイもう逃げられません逃がしません逃げようとしても足をつぶしますんで抵抗は無しねOK？」

　ん？何だこの反応？

　ん？もしかして俺なんかヤバイのに引っかかってた？

「いや～君には一目見た時からさ、うちのサークルに所属できる才能があると思ったんだよ......！

　イヤー良かったよホント！退路を断てて！

　それっぽく脅して正解だったね☆」

「え......ちょまだ見にいくだけ......てか脅し？ん？どういうこと？」

　なに？ちょっと展開早すぎてよくわからない

　どういうこと？つまり？なに？

「あー混乱してるところ悪いんだけどサークルの部室来てもらうからねー」

「え？なに？どういうことなんですかつまり？」

「ハイ説明は後々部室でねー」

　ズリズリと奥の学棟の方へと引きずられていかれそうになる

　いかん！このままだと何のサークル名も分からぬまま無理やり部室へ連れていかれ　てしまう......!

　せめてサークル名だけでも......！まともなサークルなのか、変なサークルなのかの確認くらいは取らないと......！

「あの......！ちょっ.......！サークル......ちから強ッ.....！

　サークル名だけでも教え「あーサークル名伝えるの忘れてたね？」

　セリフ被せてきた....怖い......

「だいじょーぶだいじょーぶ変なサークルではないよ！

　そこは安心して！」

　よかった......信じていいのかわからんけどとりあえずよかった......

　あ、でもまだサークル名聞けてない

　聞かなきゃ......！チャンスは今しかない......！

「引っ張ッ......！力ッ......!強ッ......！

　で......でッ肝心なサークルm「えーっとね『特殊性癖研究倶楽部』！略して『性癖部』って呼ばれてるよ！」

「めちゃくちゃ変なサークルじゃねーか！！！！！！！」

　びっくりするくらいしっかりしたクソ変なサークルじゃねえか！！！！！！！！