人物紹介

【宝の両親】

 WISHシリーズの開発者。

 一握りの優秀な人類のみを残していくという、馬鹿げた国の計画に強制協力させられていた。

 いずれ消されることを予期していた二人は、試作品として作り出したAIロボットに、自分たちの知る情報全てを隠し、これから生まれてくる宝を守るようプログラムした。

 情報を隠す手段として、禁止事項である「人間の記憶を移す」という手法を用いている。


【宝】

 生まれて間もなく両親が事故により死亡。以降は国の保護を受けながら、ウィルと共に成長していく。

 国の方針で、子供(学生)の内は皆同程度の教育や生活環境を約束されているが、既定の「優秀な人材」に当てはまらなければ迫害されていく。

 残念ながら、宝は当てはまらない人間であった。

 自分の将来を幼い頃から理解していたため、唯一の心の支えであったウィルを新しいAIに交換した後は、自死を考えていた。


【ウィル】

 本名は「We'll love you forever」。

 自分が宝を守るために生み出されたことは理解しているが、同時に自分自身も二人の息子として愛してくれていたことを知っている。

 宝には何も知らずに育って欲しいという両親の願いから、宝には「ウィル」と名乗った。

 十二歳に合わせたボディ交換の際、記憶媒体に違和感を覚えた作業員が解析を試みたせいで、防御システムが作動しエラーが発生してしまった。

 新しいボディには、システムの解析・攻撃を行うプログラムが仕込まれており、ウィルは常にそのプログラムとの攻防を繰り返していた。

 宝が崖に落とされ大怪我をした際に、防御システムを強制解除した。


【謎の男たち】

 人間の撲滅を図るAIロボットの組織。

 WISHシリーズの開発者であり、自分たちの動作を止める手段を引き継いでいるかもしれない宝を消そうと動いていた。

 ウィルから全データを抜き出すこともミッションの一つだったが、初期化により阻まれる。


【WISHシリーズ】

 それは誰かの願いを叶えるためのプロジェクト。

 子供のいない家庭に希望を。

 一人っ子の我が子に兄弟姉妹を。

 減り続ける国民の代わりを。

 優秀な人間だけが残るためのサポートを。

 ・

 ・

 ・

 人間のいない世界を。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

それは誰の願いか 砂田 透 @sata-toru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る