一章あとがき、それからお知らせ


 これにて一章完結です。


 実はわたし訳者ヒロトは……この作品の作者ではありません。翻訳しているだけです。ペンネームの由来もそこからきています。


 実家の蔵にあった謎言語の書物群を読み解くのがわたしの青春でした。日記、手紙、歴史書、報告書などなど、地球上に存在しないはずの言語で書かれたものが山のようにあって、そこで描かれている物語を翻訳したのがこちらになります。


 その翻訳の過程で一番お世話になったのが「ユウの手記」です。なにせ左に日本語、右に謎言語で同じ内容が書かれているのですから。これを紐解いて謎言語を解読し、そこから芋づる式に他の書籍も訳していきました。


 翻訳というのはとても大変で、たとえばジェスチャーひとつとっても、異世界の異種族は日本人とまったく異なるやり方をするわけです。肯定を示す"首を縦に振る"という動作ですら違う意味合いをもつ可能性があります。そういった理解不能な仕草やセリフをひとつずつ読みやすいように翻訳し、かつもとの素材感を失わないようにする。とても大変な作業でした。


 代表例でいえば、「who am I」最終話でのレナが言ったダジャレですね。「布団がふっとんだ」というのは日本語でしか成立しません。もとは少し違う表現だったのですが、我ながらよく訳したと思っています。


 これからも日本語でしか成り立たない表現が用いられるかもしれません。そのときは翻訳上の都合でこうなっているのだと違和感を拭っていただけたら幸いです。


 わたしが翻訳者にすぎないということは、つまり最後までのストーリーをすでに知っているということです。とてもとても長い物語です。


 一章はユウとレナが出会っただけにすぎません。記憶を失ってしまった男と女が出会い、逃げ出し、立ち上がり、それぞれ過去と向き合うお話でした。


 これから二人は聖書原典十三章を求めて世界を旅し、さまざまな人と出会い、絆を深めていくことになります。



 さて……


 ここから残念なお知らせです……


 現在この「Lost Bible Chapter 13」という小説はあまり読まれておりません。このあとがきを書いているときに最新話まで追ってくださっている方は数人です。素人の小説を一人でも読んでくれるならありがたい、というのはその通りなのですが……


 わたしは長いこと読み専でした。だから分かります。面白い作品は必ず伸びます。逆に言えば伸びない作品は面白くないということ。


 つまりこの小説は面白くないということ。


 悲しい事実です……


 書き出した時は「世界一面白い」と確信し、書き上げた時(一か月前くらい)は「書籍化アニメ化映画化間違いなし」と思っていたのですが、わたしの伸びた鼻は根元から断ち切られました。


 しかし謎言語の書物から読み解いた悪魔と聖女の物語は、たしかに面白いはず。


 ではなぜ伸びないのか?


 ひとえにわたしの筆力不足です。


 こう思っております。今のわたしはこの小説を描くにはふさわしくないと。翻訳者の力不足で面白くないまま世に出すのはユウとレナに失礼でしょう。


 木の中に仏様の形があって仏師は取り出しているだけ、みたいな話がありますが、それと同じです。そこに面白いものがあるはずなのに、私は醜くしか取り出せない。


 というわけで、わたしの筆力が向上するまでこの作品の更新は停止されます。


 ここまで読んでくれて、評価や☆や♡をくださっている方々には本当に申し訳ありません。


 前話で二章への引きまで作っておいてごめんなさい。書いたものは読んでもらいたかったので、投稿してしまいました。


 あくまで停止です。いつか必ず再開します。それは三か月後かもしれませんし、一年後かもしれませんし、五年後かもしれません。でも必ず再開します。わたしが一番好きなのはこの作品なので。


 もしかしたらリメイクということになるかもしれません。一人称から三人称に変わるかも。物語の開始地点が変わるかも。


 しかし根底にあるものは変わりません。愛、記憶、戦うこと、世界の残酷さ、そこで生きる人間の美しさ。そういうものです。


 ユウの言葉を引用するならば「毎年木の葉は生まれ変わるが、根っこは同じ」。


 リメイクした場合はまた一話から読んでください。ごめんなさい。


 実はここまでの約二十万字もリメイクしたものです。オリジナルの二十万字四十話はブックマークが1もつきませんでした。トホホ……


 まあオリジナル版は読みづらく、難解で、終始陰鬱な雰囲気でしたのでしょうがないです。今は公開停止となっているので探さないでください。


 そしてリメイクし、今回は数人の読者様がブックマークしてくれています。ゼロとイチでは大きな差がありますね。たった一人でも読んでくれるというのはとても嬉しいことです。


 今は筆力向上のために他の作品を書いています。主にカクヨムで。なろうには書き溜めて一気に投稿していこうかなと。


 基本的にはweb小説受けしそうなコメディタッチのものばかりです。興味があったらぜひ読んでください。ただこの作品とは作風が違い過ぎるので、無理におすすめはしません。


 そっちでバズってこっちに読者を流入させる、というのが作戦です。ただ苦戦しています。なかなか難しいですね……


 しかし諦めてはいけません。世界には書きたいものを書いて読んでもらえる小説家がいます。それになるのが当面の目標です。



 それからタイトルも変更します。


「Lost Bible Chapter13 断罪を司る悪魔として召喚されたのでオカタイ聖女ちゃんと背徳的取引をしようと思う」


から


「Lost Bible Chapter13」


に変えます。なるべく目に留まるようにとつけていたサブタイトルですが、本心ではつけたくなかったので。




 ぜひ「訳者ヒロト」をフォローしてください。それが一番励みになります。今からは面白いと思える作品をたくさん投稿していきます。


 とりあえず新作のおすすめをば。

「潜入勇者、魔族学園でバレまくり。しかもエサとしてモテまくり。」

 というのを書きました。作風はかなり違いますが、自信作でございます。ぜひどうぞ。 


 最後に一番大事なことを。

 ここまで読んでくれて本当にありがとう。


 というわけで、あとがきでした。いずれまた。

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Lost Bible Chapter13 ※一章完結・更新停止中 訳者ヒロト(おちんちんビンビン丸) @kainharst

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